【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月8日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる8日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“ロシア軍 春の終わり以降 攻撃激化か” ウクライナ国防省

ウクライナ空軍は8日、ロシア軍が無人機やミサイルを使って各地を攻撃したと発表し、ウクライナメディアによりますと、南部オデーサ州では、無人機による攻撃で物流や輸送のインフラ施設などが被害を受けたということです。

ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、ドイツの公共放送ARDとのインタビューで、ロシア軍がことし春の終わり以降、ウクライナ東部、とくにドンバス地域で、攻撃を激化させるとみられるとして警戒感を示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領も3月下旬に放送されたアメリカのテレビ局のインタビューで、「ロシアは反撃の準備をしていて、5月末か6月はじめになる可能性がある」という見方を示しています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は7日、ロシア軍がウクライナ東部バフムトの西側に向けて攻勢を強めていると分析した上で、欧米諸国の軍事支援の遅れがウクライナ軍の作戦に影響を及ぼしていると指摘しています。

ロシア “ウクライナ南部の原発にウクライナ軍の無人機攻撃”

ロシアが占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発について、ロシア国営の原子力企業「ロスアトム」は7日、原発に対しウクライナ軍の無人機による攻撃があったと主張しました。

6号機の屋根や食堂に隣接する場所が攻撃を受け、3人がけがをしたとしています。ただ、原発に重大な被害はなく、原発とその周辺地域の放射線量の値に変化はないということです。

原発に専門家を常駐させているIAEAは声明で、6号機の損傷は原発の安全性を損ねるものではないとしながらも、無人機の爆発による物理的な衝撃が原子炉の建屋でもあったことを確認したと明らかにしました。

IAEAのグロッシ事務局長は誰が行ったかは言及せず、「このような無謀な攻撃は重大な原発事故のリスクを著しく高めるものであり直ちにやめるべきだ」とする声明を出しました。

一方、ウクライナ国防省情報総局の報道官は、地元メディアに対し「ウクライナはザポリージャ原発の敷地で起きた、いかなる武力挑発にも関与していない」と否定しました。

ザポリージャ原発は、相次ぐ砲撃などによって原子炉の冷却などに必要な外部からの電力の供給がたびたび途絶えるなど、安全性への懸念が続いています。