石川 避難の住民 桜のもとで地元に戻ることを誓い合う

能登半島地震で住民が一時孤立し、自衛隊のヘリコプターで避難した石川県輪島市の深見町では、7日、地区の外に避難した人たちがふるさとに咲く桜の木のもとに集まり、地元に戻ることを誓い合いました。

輪島市の深見町は、地震による土砂崩れで道路が寸断され、最大8日にわたって孤立状態となりました。

地区の人たちは自衛隊のヘリコプターで避難し、72世帯およそ130人のほとんどが小松市などに2次避難しています。

7日、地区の外に避難した人のうちおよそ60人が避難先からバスで戻り、咲き始めた桜の木のもとに集まりました。

そして、七尾湾特産の「能登かき」などを味わいながら、ふるさとのなつかしい風景を確かめていました。

深見町の総区長山下茂さん(74)は、「これだけ多くの人が集まるとは思いませんでした。早く帰ってきたいですが、まだまだめどがたたないのが歯がゆいところです。地元はやっぱりいいなとつくづく思います」と話していました。

企画した佐藤克己さん(57)は、深見町で民泊を営むほかNPOの代表も務めていて、地区の人たちにアンケートをしたところ、回答したすべての世帯がふるさとに戻りたいと答えたということです。

しかし、長引く避難生活で将来に不安を抱く人も多くいたことから、総区長などにも協力を求め、今回、地区の人が集える場を設けました。

佐藤さんは「避難のあと深見町に来ることができない人が大勢いました。2次避難所で、毎年桜を見るのが楽しみだったという話を聞き、企画しました。戻れてよかったと言ってもらえるように、楽しい町にしていきたいです」と話しています。