台湾 東部沖地震 13人の死亡確認 捜索続く 自宅壊れ生活不安も

台湾の東部沖で起きた地震では、これまでに13人の死亡が確認されたほか、落石のあった渓谷の周辺で行方がわかっていない人の捜索が続けられています。
今回の地震では、建物の被害も多く出ていて、自宅が壊れ、住む場所をなくした人などが、今後の生活に不安を募らせています。

台湾の東部沖で今月3日に起きた地震では、震源に近い花蓮県にある、台湾有数の景勝地、太魯閣渓谷の周辺で捜索活動が続いています。

台湾当局は6日、新たに3人の死亡を確認し、亡くなった人は、あわせて13人となりました。

現地では、雨が降ったり、地震が相次いだりするなか、落石が起こりやすい状況で、捜索は難航していて依然として6人の行方がわかっていません。

また、観光客など300人以上が、道路が寸断された影響で足止めされていて、ヘリコプターなどでの救助が続けられています。

花蓮県でおよそ150人避難

今回の地震では、台湾全土で830の建物が損壊するなど大きな被害が出ていて、自宅が壊れ住む場所をなくした人たちも多くいます。このうち、被害の大きい花蓮市中心部のおよそ150世帯が入居するマンションでは、壁に亀裂が入るなど、安全に住める状況にないとして、きのうも、自宅から家財道具を運び出す住民らの様子が見られました。42歳の男性は「今はホテルで暮らしている。できる限り楽観的に考え、家族や周囲を励ましている」と話していたほか、12階に暮らす女性は「このマンションに住み続けることができるかどうかわからず、今後の見通しはたっていない」などと話し、今後の生活に不安を募らせていました。また、柱の鉄筋がむき出しになるなどの被害を受けた建物の軒先で露店を営む40代の男性は、修復費用だけで日本円で300万円以上かかる見通しだとしたうえで「地震で観光客が来なくなり、売り上げは7割減少した。以前の生活に戻りたい」と話していました。

その後も地震相次ぐ

台湾では、今月3日に起きたマグニチュード7.2の地震のあとも、地震が相次いでいます。

台湾の中央気象署によりますと、今月3日の地震のあと、日本時間の6日午後4時すぎの時点で、体に感じる地震があわせて619回観測されたということです。

このうち、▼マグニチュード6以上7未満の地震が2回、▼マグニチュード5以上6未満の地震が22回、▼マグニチュード4以上5未満の地震が196回などとなっています。