台湾東部沖地震 発生から72時間経過 連絡取れない人の捜索続く

台湾の東部沖で起きた地震は、6日午前で生存率が急激に下がるとされる発生から72時間を過ぎましたが、連絡の取れていない人は6日朝の時点で12人となっています。捜索活動の続く現場周辺では雨が降っていて、レスキュー隊は現場の状況を慎重に確認しながら活動を進めることにしています。

台湾の東部沖で今月3日に起きた地震は6日、発生から72時間が経過しましたが、連絡の取れていない人はきのうから2人増え、日本時間の午前10時時点で外国人を含む12人となっています。

このうちの多くは、震源に近い花蓮県にある景勝地として有名な太魯閣渓谷周辺にいたとみられています。

6日は早朝から救助活動の拠点にレスキュー隊が次々と集まり、捜索の方針を話し合う会議で花蓮県のトップは「地震の発生から72時間50分が過ぎた。一刻も早く人々を救出することが重要だ」と隊員を激励しました。

このあとレスキュー隊は6人と連絡が取れなくなっている渓谷周辺の現場に向かいました。

現場では、重機を使って捜索をしたいとしていますが、周辺では雨が降っていることから現場の状況を慎重に確認しながら活動を進めることにしています。

レスキュー隊のトップは「最大の問題は天候と地震の揺れが続いていることで捜索のリスクを高めています。困難な状況を解決して、助けが必要な人を捜索するため努力したい」と話していました。

「天王星ビル」解体作業が進む 市民からは不安の声

今回の地震で大きく傾いた花蓮市中心部にある、「天王星ビル」と呼ばれる9階建ての建物では、6日も解体作業が進められています。

解体作業が進められる間、周辺の住宅や店舗は立ち入りを制限されていて、市民から不安の声が出ています。

このうち、解体が進む建物のすぐ隣で飲食店を営んでいる高得翔さん(43)は今回の地震で、自分の店の入る建物の倒壊は免れましたが、隣の建物が傾いたことに大きなショックを受けています。

高さんは、7年前からこの店でフライドチキンを販売して生計をたてていますが、建物の解体工事の間は自分の店に自由に出入りすることができず、いつから店を再開できるのかも見通せないといいます。

高さんは「店の売り上げは安定していましたが地震が起きて将来が見通せなくなり、ショックで不安です。とにかく早く営業を再開したいです」と話していました。

TSMC ほぼすべての工場設備が復旧

半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMCは、5日夜の声明で、今月3日に起きた地震の揺れが大きかった地域にある一部の生産ライン以外は、工場設備のほぼすべてが復旧したと明らかにしました。

その上で、ことし1月に発表した、年間のドル建ての売り上げが前の年と比べて21%から26%程度増えるとの見通しは維持するとしています。