被災した老舗酒造会社 3か月ぶりに酒造り再開 石川 能登町

能登半島地震で被災した石川県能登町の老舗の酒造会社では、酒造りが3か月ぶりに再開され、例年より大幅に遅れて作業が続けられています。

石川県能登町にある明治2年創業の「数馬酒造」は、能登半島地震で酒蔵の壁が崩れたり、津波で泥水が流れ込んだりして酒造りの中断を余儀なくされました。

地震のあと、石川県内や宮城県の酒造会社の支援を受けて一部を出荷していましたが、3月中旬に断水が解消して片付けが進み、今月から3か月ぶりに酒造りの作業を再開しました。

5日は社員たちが蒸した米にこうじ菌を混ぜて米こうじをつくり、仕込みの作業にあたっていました。

例年、4月には酒造りを終えていますが、ことしは6月まで酒造りを続けるということです。

数馬酒造の栗間康弘さんは「日常が戻ってきたという思いと、本来なら一段落する季節にまた仕込みをするという不思議な感覚があります。やるからには中途半端な酒は造りたくないので、おいしいお酒を造りたいと思っています」と話していました。