東京原油市場 中東情勢を受け価格上昇 約5か月ぶり8万円台に

中東情勢の緊迫化を背景に、東京原油市場では中東産の原油の先物価格が上昇し、取り引きの中心となる原油の先物価格が、およそ5か月ぶりに1キロリットルあたり8万円台をつけました。

東京市場で取り引きされている中東産の原油の先物価格は、取り引きの中心となる「ことし9月もの」が5日未明の取り引きで、1キロリットルあたり8万240円をつけました。

8万円台をつけたのは、去年10月下旬以来、およそ5か月ぶりです。

背景には、中東のシリアにあるイランの大使館がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことで、中東情勢が緊迫化すれば原油供給に影響が及ぶとの観測が広がったことがあります。

原油価格をめぐっては、4日のニューヨーク原油市場でも、国際的な取り引きの指標となるWTIの先物価格が去年10月下旬以来、およそ5か月ぶりに一時、1バレル=87ドル台まで上昇しました。

市場関係者は「中東の産油国に影響が広がるような事態となれば、原油の供給に影響が出るおそれがあり、投資家の間で警戒感が高まっている。市場は関係各国の外交の動きにも注目している」と話しています。