物流「2024年問題」 秋田の書店で書籍入荷が一日遅れる影響

物流の「2024年問題」で秋田県内の書店では4月から文庫本や文芸書などの入荷が発売日から一日遅れとなるなど影響が出ていることがわかりました。

秋田県内の書店でつくる県書店商業組合などによりますと、組合に加入する20余りの書店だけでなく、大手チェーンの書店などへの配送も埼玉県内にある運送会社が担っていて、首都圏からの輸送距離は片道600キロ以上に上るとしています。

物流業界では4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制などが適用され、輸送量の減少が懸念されています。

この物流の「2024年問題」で秋田県内の書店では4月1日から文庫本や文芸書などの入荷が発売日から一日遅れとなるなどの影響が出ていることがわかりました。

運送会社によりますと、ドライバーの時間外労働の上限規制や勤務終了後に一定の休息時間を確保することが難しいことなどを理由に対応の見直しを決めたということです。

県書店商業組合によりますと秋田県内の書店では、すでにコミックや週刊誌などの雑誌類の入荷は発売日より一日遅れとなっているということで、今回の「2024年問題」を受けて文庫本や文芸書を含めたほとんどの書籍が一日遅れて店頭に並ぶことになるとしています。

秋田県書店商業組合は「発売日が遅れることでお客様にはご迷惑をかけるが、トラックドライバーの働き方改革のためなので理解を求めていきたい」と話しています。

人気作家の書籍も一日遅れ 駅前の書店では

秋田市のJR秋田駅前にある大型書店ではこれまでは文庫本や文芸書は発売日に合わせて入荷していましたが、4月から一日遅れになっているということです。

このため、人気作家の東野圭吾さんの最新の文庫本は3日が発売日でしたが、店には一日遅れて4日朝の入荷となり、4日からの発売となりました。

店によりますと、文庫本の入荷が遅れることを知らなかった少なくとも3人の客が3日の発売日に店を訪れたということです。

文庫本を購入した10代の男性は「トラック運転手の働き方を見直すという理由で一日くらい遅れるのは問題ありません」と話しています。

また30代の女性は「物流業界で働く人も大変だと思いますが、秋田では首都圏より情報が遅れることになると思います。いろんな手段を考えて差をなくしてほしいです」と話しています。

「ジュンク堂書店 秋田店」の今野圭一 副店長は「発売日に購入したいというお客さんに販売できないのは非常に心が痛いです。紙の本から離れて電子書籍に流れてしまうという懸念もありますが、しかたないと思います」と話しています。