宮崎 グラウンドに落雷 “適切な対応を”県が県内全学校に通知

3日、宮崎市にあるグラウンドに雷が落ち、サッカーをしていた高校生18人が搬送されて2人が重症となったことを受けて宮崎県は、4日、再発防止のため県内すべての学校に対し落雷が発生しやすいときには活動の中止や中断など適切な対応をとるよう通知しました。

3日午後2時半ごろ宮崎市古城町にある鵬翔高校のサッカーグラウンドで落雷が発生し、消防や学校によりますと15歳から18歳の高校生、合わせて18人が病院に搬送されました。

このうち2人が重症、16人もけがをして、高校によりますと重症の1人は意識不明で病院で治療を受けています。

鵬翔高校によりますと、3日は県内外の高校が宮崎県に集まり複数の会場でサッカーの試合が行われ、落雷が発生したグラウンドでは当時、鵬翔高校と熊本県の鹿本高校の生徒など100人以上が試合などをしていたということです。

そして、鹿本高校がウォーミングアップをしていたピッチサイドに雷が落ちたということです。

部活動中に落雷で生徒が負傷したことを受けて、宮崎県のスポーツ振興課は4日、県内の公立と私立のすべての学校に対し再発防止に向けて注意を呼びかける通知を出しました。

通知では「落雷の発生しやすい条件下ではその場に応じた的確な判断のもとに活動を中止中断し安全な場所へ避難するなど、適切な対応ができるよう指導の徹底をはかること」と呼びかけています。

この通知は今月1日に県内の公立学校に出されていましたが、きょう改めて私立学校も含めたすべての学校に出されました。

富山晃一教頭「生徒の心のケアを」

鵬翔高校の富山晃一教頭は、4日、報道陣の取材に応じ「当時は雨も弱く、雷も鳴っていなかったので現時点で判断に誤りがあったとは思っていないが、こうしたことが起きてしまったので、原因を究明し、試合を行う判断基準についても考える必要があると思う」と述べました。

そのうえで「入院したりケガをしたりしている鹿本高校の生徒の回復を願うとともに目の当たりにした鵬翔高校の生徒の心のケアにもあたっていきたい」と話していました。

落雷の安全管理 “日本サッカー協会の指針を適用”

サッカー中に落雷が発生したケースを巡っては1996年に高知市の高校生が大阪 高槻市で試合中に雷に打たれ重い障害が残ったことを受けて、2006年に日本サッカー協会が対策の指針をまとめています。

指針ではすべてのサッカー関係者は落雷の予兆があった場合、速やかに活動を中止して危険性がなくなるまで避難を続け、選手の安全確保を最優先するとされています。

また、事前に天気予報や避難場所を確認するほか試合などの中止を判断する人を決めておくことも記されています。

鵬翔高校によりますと、2日から4日まで、県内外の16校が宮崎県に集まり、4つの会場で試合が行われる予定で、それぞれの試合で落雷の安全管理についてこの指針を適用することにしていたということです。

4日行われる予定だった試合はすべて中止になったということです。