「紅麹」めぐりSNSで誤情報や偽動画が広がる 注意を

「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、SNSでは「ベニコウジ色素」という食品の着色料が危険だとする誤った情報や、小林製薬の社長が記者会見で健康被害の原因について述べていない内容を述べたとする偽の動画が広がっています。多くの人が不安を感じるときには誤った情報や偽情報が広がりやすく、公的機関や報道機関の情報を確認するなど注意が必要です。

小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」を摂取したあとで亡くなった人が報告された3月26日から、旧ツイッターのXでは、着色料としてさまざまな食品に用いられる「ベニコウジ色素」と小林製薬が製造した「紅麹原料」を混同した投稿が相次ぎ、中には危険性を訴える誤った情報で一日で1200万回以上閲覧されたものもありました。

「ベニコウジ色素」は、ベニコウジカビの培養液から得られる食品の着色料で、食品添加物として、国によって使用が認められています。

業界団体の日本食品添加物協会は「ベニコウジ色素」と「紅麹原料」は異なるとする見解を出し、「ベニコウジ色素」で健康被害が出たことはないとしていて、メーカー各社も同様の声明を出しました。

このほか、小林製薬の小林章浩社長が記者会見で今回の健康被害の原因が新型コロナワクチンであると発言したとする偽の情報や、字幕を加工した偽動画が広がり、それぞれ120万回以上閲覧されたほか、大手ニュースサイトのロゴを悪用して「原因はワクチン」とする全く根拠のない偽の投稿も出回っています。

多くの人が不安を感じるときには偽情報が広がりやすく、発信しているアカウントに不審な点はないか見るほか、公的機関や報道機関の情報を確認するなど、注意が必要です。