大谷翔平 ドジャース移籍後初 今季1号ホームラン 【一問一答】

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が3日、本拠地で行われたジャイアンツ戦で移籍後初となる今シーズン1号のソロホームランを打ちました。

記事後半では試合後、大谷選手が報道関係者の取材に応じた【一問一答】もお伝えしています。

大谷翔平 今季1号HR 開幕から41打席目でついに

ドジャースの大谷選手は3日、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われたジャイアンツとの試合に2番・指名打者で先発出場しました。

1回の第1打席は低めの変化球に空振り三振となりました。

1対1で迎えた3回の第2打席は、ファーストへのゴロでしたが俊足を生かして内野安打とし2試合ぶりにヒットをマークしたあと、後続のバッターのツーベースヒットで、一塁から一気に三塁を回って勝ち越しのホームを踏みました。

4回の第3打席は鋭い打球を見せましたがレフトライナーでした。

そして、7回、開幕から41打席目となるこの試合の第4打席で高めの速球を完璧にとらえて右中間へ移籍後1号となるソロホームランを打ちました。

待望の移籍後 第1号HR

大谷選手は大リーグ通算のホームラン数が172本となって、松井秀喜さんが持つ日本選手の最多ホームラン記録まであと3本に迫っています。

大谷選手は4打数2安打1打点で今シーズン3回目の複数安打をマークしました。

試合はドジャースが5対4で勝ち、4連勝です。

大谷翔平「焦る気持ち我慢しながら自分のスイングを」

大谷選手は試合後、現地の中継局が行ったヒーローインタビューに登場し、9試合目で打った今シーズン初ホームランについて「なかなか調子が上がってこなくて、焦る気持ちを我慢しながら自分のスイングをしようと努めてきた。1本出てよかったと思います」と率直な気持ちを話しました。
そのうえで「ボールの見え方が一番大事だと思っているので、そこが一番納得できるスタンスで構えることを大事にしてきた。監督ともきょう(通訳の)ウィルさんと一緒に話をして、『自分らしくいればいい』と言われて、気持ちが楽になった」と話しました。
そして、本拠地ドジャースタジアムのファンに向けて「毎日これだけ多くのファンが入って、やりがいというか、自分にエナジーをもらえるので。それを自分の力に変えて、これからも頑張りたいと思います」と感謝の気持ちを述べていました。

ホームランボールは大谷のもとへ「僕にとって特別」

ドジャースの選手として待望の1号となったホームランボールは、キャッチしたファンから大谷選手のもとへ返されました。
大谷選手からはサインボールと帽子2つ、それにバットを贈ったということで、大谷選手は試合後「ファンの人と話して、いただけるということだったので。僕にとっては特別なボールなのでありがたい」と話していました。

ロバーツ監督「ファンも大喜びだし 彼も少し安心しただろう」

大谷選手の今シーズン初ホームランを受けてドジャースのロバーツ監督は「ドジャースタジアムでの最初のホームランにファンも大喜びだし、彼も少し安心しただろう。新しいチームでいいスタートを切りたいと思うのは人間なら当然のことだ。今夜は本当にいい一歩だった」と喜びを口にしました。
そして「グラウンドの中だけでなくグラウンドの外でも、逆境に立たされないとその人の本質は見えない。彼は動じないし、自分のやるべき仕事とそうではないことを切り分けている」と大谷選手の姿勢を賞賛していました。

ヘルナンデス「チームみんなが彼の最初のHRにうれしそうだった」

ホームランのあと大谷選手にひまわりの種をかけて祝福したテオスカー・ヘルナンデス選手は「彼はいつも僕に『なんてパワーだ!』と言ってくれるけど、きょうは僕が彼にそう言ったよ。チームみんなが彼の最初のホームランにうれしそうだった」とベンチ内での様子を話しました。

◇待望の1号HR 飛距離は131m 打った瞬間ファンも確信

大谷選手の待望のシーズン1号は、第4打席の5球目でした。

アウトコース高め、149キロのツーシームを捉えた当たりは打球速度169.9キロ、打球の角度は24度、飛距離は131メートルで、打った瞬間スタンドのファンも立ち上がりホームランを確信していました。

球場が揺れるほどの大歓声とスタンディングオベーションのなかホームを踏んだ大谷選手は、満面の笑顔でチームメートが待つベンチに向かい、選手たちが試合中に食べるひまわりの種を顔にかけられ、手荒い祝福を受けていました。

【解説】“我慢の末の”移籍後 第1号ホームラン

「メンタルを言い訳にはしたくはない。そこも含めて技術だと思っているし、そこも含めて自分がここまで結果が出てない実力だと思う」

試合後、取材の最後にこう語った大谷選手。なかなかホームランが出なかった要因はメンタル面にあったのかと問われ、苦しい状況の中でバッティングと向き合ってきた胸の内を伺わせました。

大谷選手はこれまで、ホームランが出ていない要因について「タイミングと距離があっていない」と報道陣に明かしていました。

「『早く打ちたい』『早く打ちたい』という気持ちから、どんどんいい打席からかけ離れていく状態だった」と結果が出ず焦るほど思い描くバッティングから離れていったといいます。

それでも自分のスイングを見失うことはなく「無理やりタイミングを早くするのも、長期的に見ると自分の打ち方からかけ離れていくという意味ではあまりよくない。我慢しながら少しずつ調整していくのが大事」と室内のバッティング練習場で辛抱強くバットを振り続けました。

ロバーツ監督やコーチ陣、バッティングピッチャーにも助言をもらいながら調整を続けたということで、大谷選手は「サポートを結果につなげられるかどうかもコミュニケーションの1つとして大事だと思う」と新しい仲間からの協力が原動力になったと話しました。

通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博をめぐる問題によるプレーへの影響も懸念されていた大谷選手。「グラウンドの外でもみんなからサポートしてもらってありがたい」と感謝のことばを口にし、その上で「まず1本出て、安心しているというのが率直なところ。これを機にしっかり自分の打席を継続したい」と力強く語りました。

去年のホームラン王とはいえ、開幕から8試合ホームランが出ないだけで、ここまで大きな話題となるのもスター選手の宿命とも言えます。この1本をきっかけに、重圧から解き放たれた大谷選手が量産体制に入ったとしても、なんら不思議ではありません。

6日~ドジャースとカブスの3連戦 山本由伸が第2戦先発予定

日本時間6日からは、大谷翔平選手と山本由伸投手が所属するドジャースと、鈴木誠也選手と今永昇太投手が所属するカブスの3連戦がシカゴで行われます。

ドジャースのロバーツ監督は3日の試合前に行われた会見で、山本投手が3連戦の2戦目に先発すると明らかにしました。

山本投手は「鈴木誠也さんもいるのでしっかり勉強してベストを尽くしたい。年間通しても対戦はそんなに多くないと思うし、なかなか会えないので楽しみだ」と話していました。

また、カブスは今永投手が3戦目に先発登板します。今永投手は大谷選手とプロ野球時代に対戦したことがないため、今回が初対戦となります。

【試合後の一問一答】

ドジャースの一員としてシーズン最初のホームランを打った試合後、大谷選手は少し安心したような表情で報道陣の前に姿を現しました。ホームランが出なかった40打席の間の心境や、チームメートをはじめとしたまわりからのサポートへの思いなど、およそ6分間質問に答えました。

Q.ホームランボールは戻ってきた?そのボールに対して特別な思いはある?

大谷翔平 選手
「ファンの人と話して、いただけるということだったので、はい。僕にとってはすごく特別なボールなので、ありがたいなと」

Q.ドジャースでの初ホームランを打ってほっとした?

「自分の中ではかなり長い間打ってないなという感覚だったので、まあバッティング自体もそこまでよくなかったですし、まず1本出た、まあ安心しているというのが率直なところかなと思います」

Q.1点差の試合で貴重なホームランとなったが?

「結果的に5対4で勝って、その1点で勝ちはしたので、後半のいいところで1本打てたというのはまずよかったですし、まあ僕だけじゃなくてオフェンス全体的に相手にプレッシャーをかけ続けていたのが、やっぱりよかったのかなと思います」

Q.ボールがじっくり見えた?

「徐々に徐々に、よくはなってはきているなとは感じていましたけど、その中で結果につながるかどうかというのは全然違うと思うので、そういう意味ではすごくよかったかなと思います」

Q.多少のフラストレーションは感じていた?

「フラストレーションはそうですね、あの、僕の中ではさっきも言いましたけど長かったなという印象が強いので『早く打ちたいな』『早く打ちたいな』という気持ちがこうどんどん、いいアットバットからかけ離れていくという状態だったので、これを機にしっかり自分の打席を継続したいなと思ってます」

Q.ボールと何を交換しましたか?

「僕はボールとハット2個とバット1本ですかね」

Q.ボールはサインボールですか?

「サイン書きました」

Q.せきこんでいたこともあったが、体調を崩していた?

「みんな、けっこうはやっているので、数日かは、けっこう、そうですね。まあだいぶよくなってきましたけど」

Q.タイミングのずれがあったと言っていたが、合わせられてきている?

「そうですね、タイミングと距離がやっぱり違うかなって思っていたので、無理やりはやくするのも、なんですかね、長期的に見ると自分の打ち方からかけ離れていくという意味ではあまりよくない方向ですし、やっぱり我慢しながらちょっとずつ調整していくというのは大事かなと思います」

Q.テオスカー・ヘルナンデス選手からひまわりの種の祝福もあったが、あのときの気分は?

「そうですね、長い、僕のなかで長い、えーまあ、感覚だったので、ああやってやってもらって、まあグラウンドの外のところでもいろいろみんなからサポートしてもらって、選手もそうですし、スタッフの皆さんもそうですし、ほんとありがたいと思います」

Q.ホームランの前の打席できっかけになる感触はあった?

「ケージでもいろいろ試したりとか、コーチ、ロバーツもそうですし、バッティングピッチャー陣もそうですけど、いろいろこれやってみたら、あれやってみたら、ここはこうなって、どうなってるっていうのは、調整法も含めていろいろ話しながら、サポートはしてくれているので、そこに、結果に自分がつなげられるかどうかが、やっぱりコミュニケーションの一つとしても大事かなと思うので、そういう意味ではよかったと思います」

Q.一塁からホームに帰った走塁は、自身の判断で?

「そうですね、基本1アウトだったのでライナーバック、最初ライナーだなと思って止まってはいたので、どうかなとは思いましたけど、まああの、ディーノも思い切り回していましたし、いけるっていう判断、僕もいけるって思っていましたし、いい判断だったと思います」

Q.ベッツ選手やフリーマン選手、周囲が打ってることはプレッシャーになっていた?

「そこはないですかね、むしろ助けられてるなというか、調子が悪い中で、例えば1アウト三塁のシチュエーション、別にヒットじゃなくてもチームに貢献できるようなシチュエーションがあったりするので、そこはむしろ助けられてるなという印象ですかね」

Q.打てなかった期間、技術よりメンタルのほうが大きかった?

「んー、どうなんですかね、まあメンタルを言い訳にはしたくはないので、やっぱりそこも含めて技術だと思ってますし、そこも含めて自分がここまで結果が出てない実力なのかなと思います」