ガザのNGOスタッフ死亡受け 別のNGOも活動休止 人道状況に影響

イスラエル軍による攻撃によってガザ地区で国際的なNGOのスタッフ7人が死亡した事態を受けて、現地で活動してきた別のNGOも安全確保が出来ないとして活動を休止することを決め、日増しに悪化する人道状況にさらなる影響が出ています。

ガザ地区では3日もイスラエル軍による激しい攻撃が各地で続き、地元のメディアは数十人が死亡したなどと伝えていて、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万2975人が死亡したとしています。

去年10月から半年近く続く戦闘によって、ガザ地区では住宅や公共インフラなどあらゆる施設への被害が広がっていて、世界銀行と国連は2日、被害額が1月末までで185億ドル、日本円でおよそ2兆8000億円に上るという推計を公表しました。推計される被害額のうち住宅の被害が72%を占めるということです。

また、多くの人が住む場所を追われているうえ、人口の半数以上が飢きんの瀬戸際にあり、すべての人が深刻な食料不足と栄養不足に陥っているなどとしています。

ガザ地区では人道状況が悪化の一途をたどり支援が急がれますが、国際的なNGOはスタッフ7人がイスラエル軍による攻撃によって死亡したことを受け、支援活動の一時中断を決めました。

さらに現地で長年活動してきた別のNGOも2日、安全が確保できないとして活動の中断を決めたと明らかにしました。

このNGOは去年10月の戦闘開始以来、1日に平均で15万食を提供してきたということで「活動休止が与える影響の大きさは理解しているが危険度の高まりを受けて中断せざるを得なかった」などとしていて、日増しに悪化する人道状況にさらなる影響が出ています。