パラリンピックのクラス分け 情報収集し活用する拠点開所 東京

パラリンピック出場の条件となる障害のクラス分けについて国内外の最新情報を収集し、戦略的に活用するための拠点が東京 北区の「ナショナルトレーニングセンター」に新たに設けられ、3日、開所式が行われました。

パラリンピックの22競技ではさまざまな障害のある選手が公平に競い合えるよう障害の種類や程度に応じたクラス分けが行われ、パラリンピックの出場には事前に国際大会で専門家の判定を受けるよう定められています。

しかし、ルールが変更されると、競技団体によって情報収集に差が出ることなどからJPC=日本パラリンピック委員会が国内外の最新情報を収集し各競技団体と共有して戦略的に活用する、クラス分けの情報・研究拠点を新たに設置しました。

3日は開所式が行われ、JPCの河合純一委員長が「クラス分けは、競技力向上にも関わる重要なテーマだが課題も多い。まずパリパラリンピックへ、解決に向けて取り組んでいきたい」とあいさつしました。

JPCがおととし、およそ190人の選手に行ったアンケート調査によりますと、クラス分けのルール変更や最新情報について、「正確な情報提供が最も重要な支援だ」と71%が回答していて、今後はアスリートの支援や育成などにも取り組むことにしています。

式典に参加した東京パラリンピック、競泳の金メダリスト、鈴木孝幸選手は、「クラス分けは、パラスポーツの根幹にもかかわらず、知識が乏しい選手も多い。アスリートにとって、クラスが変わることは世界が変わるくらいの死活問題で、拠点から情報をしっかり発信してほしい」と話していました。

クラス分けめぐりアスリートに影響も

クラス分けをめぐってはルールが変更されるたびに、パラリンピックを目標にトレーニングを積んできたアスリートに大きな影響も出ています。

東京パラリンピック、陸上の男子1500メートルで金メダルを獲得した佐藤友祈選手の「T52」という車いすのクラスは、パリ大会では1500メートルが実施種目から外れました。

このため、佐藤選手は400メートルに絞って、メダル獲得を目指しています。

このほか、パラ陸上の伊藤智也選手は東京パラリンピック直前に行われたクラス分けで従来と異なるクラスと判定され、メダルが有力視されていたクラスの、3つの種目に出場できなくなりました。

伊藤選手は新たなクラスで400メートルのレースに出場しましたが、障害の程度が軽い選手と競った結果、決勝進出はなりませんでした。

パラアスリートの「クラス分け」とは

パラアスリートの「クラス分け」は、障害の種類や程度が異なる選手が公平に競い合うためのパラリンピック独自の仕組みです。

各国の選手が平等に機会を得られるよう、国際大会に合わせてクラス分けが行われています。

クラス分けを行うのは専門の資格を持った医師などで、選手と面談したり、実際に競技している様子を確認したりして、運動機能がどの程度残されているのかを判定します。

障害が進行したり回復したりする可能性がある選手のクラス分けには2年から4年程度の有効期間が設けられていて、定期的にクラス分けを受け直す必要があります。

クラス分けの判定が変わると、対戦相手も変わるため、病気が進行した選手がより障害の重いクラスに移り、メダル獲得に近づくこともあります。