岸田首相とゼレンスキー大統領 ロシアの侵攻に連携対応で一致

ロシアによる軍事侵攻をめぐり、岸田総理大臣はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、一貫して支援を継続していく考えを伝え、引き続き緊密に連携して対応していくことで一致しました。

電話会談は、ゼレンスキー大統領の呼びかけで、3日午後5時前からおよそ30分間行われました。

この中で、岸田総理大臣はロシアによる軍事侵攻に対する戦いを続けているゼレンスキー大統領と国民の勇気に敬意を示しつつ「日本がウクライナとともにあるという姿勢は揺るがない」と述べました。

そのうえで、ことし2月に東京で行われた「日・ウクライナ経済復興推進会議」での合意に沿って、地雷の除去やがれき処理、それに農業の生産性向上などの事業を着実に実施に移していくことを含め、日本として一貫してウクライナ支援を継続していく考えを伝えました。

これに対し、ゼレンスキー大統領からは日本のこれまでの取り組みに深い謝意が示され、両首脳は引き続き緊密に連携して対応していくことで一致しました。

ゼレンスキー大統領“支えてくれて感謝する”

ウクライナの大統領府は3日、ゼレンスキー大統領が岸田総理大臣と行った電話会談の内容について明らかにしました。

この中で、ゼレンスキー大統領は、ことし2月にウクライナの復興に向けた会議が東京で開催されたことをめぐり、岸田総理大臣が果たした役割に触れたほか、両首脳は会議で交わした50以上の協力文書について、できるだけ早く実現することで合意したとしています。

そして、120億ドル以上の財政支援など、これまでの日本側の支援に言及し「ウクライナの独立を守る戦いを支えてくれて感謝する」と伝えたとしています。

また、電話会談では戦況についても触れ、ロシア軍がことしに入り、1000発近くのミサイルやおよそ2800のイラン製無人機「シャヘド」、そして、およそ7000発の誘導爆弾などで攻撃したと説明したということです。

そのうえで、ロシアに対し制裁を強化して圧力をかける重要性などを強調したほか、ウクライナとしては、防衛拠点の構築や地雷除去に必要な特別な機械も必要としていると伝えたということです。

さらに、ゼレンスキー大統領は、岸田総理大臣と、2国間の安全保障をめぐる協定の協議の進捗(しんちょく)状況についても話したと明らかにしました。