ガザでNGOスタッフ7人死亡「ショックと憤り」国連日本人職員

イスラエル軍による攻撃で国際的なNGOのスタッフ7人が死亡した事態を受けて、ガザ地区で支援活動に当たる国連機関の日本人職員はNHKの取材に対し「ショックと憤りが強い」と衝撃を語るとともに、現地の人道状況は限界を超えているとして一刻も早い停戦の実現を訴えました。

ガザ地区では支援活動を行っていた国際的なNGO「ワールド・セントラル・キッチン」のスタッフ7人がイスラエル軍による攻撃で死亡し、ネタニヤフ首相は2日軍による攻撃だと認めたうえで、意図的ではないとして再発防止に努めるとしています。

これについて、ガザ地区南部ラファを訪れているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の清田明宏 保健局長は2日、NHKのオンライン取材に応じ「支援団体や国連機関は戦闘地域に近いエリアではイスラエル側の許可を得て移動している。起こってはならないことが起きた。ショックと憤りが強い」と述べ援助関係者に衝撃が広がっていると話しました。

また、現地の状況については「避難所では800人にトイレが1つ、3000人にシャワーが1つという非常に厳しい環境だ。衛生状態も悪く、肝炎や下痢、呼吸器疾患になる人が増え非常に懸念している」と話したほか、子ども用の抗生物質など医薬品の不足も深刻だと訴えました。

そのうえで「住民の生活や医療側の対応、食料不足などすべて限界を超えている。早く停戦をして状況を改善するべきだ」と述べ一刻も早い人道的な停戦の実現を訴えました。

こうした中、イスラエル首相府は2日、戦闘休止と人質の解放のための交渉について、イスラエルと仲介国側がエジプトでの協議を終え、ハマスに提示する案を策定したと明らかにしました。

今後、仲介国側がハマスと協議をすると見られますが、完全な停戦などをめぐって双方の立場の隔たりが依然として大きい中で、合意の糸口が見いだせるかが焦点となります。