40年以上愛されたプラネタリウム 地震被害で閉館へ 石川 加賀

石川県加賀市の児童館にあるプラネタリウムは、40年以上、地域の人や天文ファンに愛されてきましたが、施設が地震の被害を受け、閉館することになりました。

加賀市にある山中温泉の児童館にあるプラネタリウムは、44年前の昭和55年に営業を始めたプラネタリウムで、地域の人のみならず、その雰囲気がレトロだとして、全国の天文ファンに愛されてきました。

能登半島地震では、児童館の施設に多数の亀裂が見つかるなどしたほか、プラネタリウムのドームも天井が変形するなど被害を受けて、星座を正確な位置に映し出すことができなくなりました。

子どもたちの安全も考慮し、今月下旬、児童館の機能を市内の別の施設に移すとともに、プラネタリウムの閉館が決まったということです。

「山中児童館」の宇賀神曜子所長は「このようになるとは思ってもいませんでしたが、子どもたちの安全を思えば仕方がないと思います」と話していました。

プラネタリウムでは、病気で両目の視力を失った元児童館スタッフの木下真由さんが、3年前からガイド役を務めていました。

1回40分の公演内容をすべて暗記し、児童館を訪れる子どもたちや地域のお年寄り、自分と同じように目が不自由な人たちにも星の魅力を伝えられるガイドの仕事に生きがいを感じていましたが、続けることはできなくなりました。

木下さんは「初めて聞いた時は信じられないと思いました。3年間、一生懸命頑張ってきたので残念です。子どもたちと会えなくなるのは寂しいけれど、再びガイドができる日を待ちながら、星座の勉強だけは続けていきたいです」と話していました。