【地震・国内影響】那覇空港は多くの便で遅れ 混雑続く

3日午前8時58分ごろ、台湾付近を震源とする地震があり、那覇空港では一時全ての着陸を取りやめました。

午後0時44分から順次、旅客機の離着陸を再開しましたが、多くの便で遅れが発生していて、出発ロビーは混雑が続きました。

【空の便】

沖縄県内の空港 98便欠航

航空各社によりますと、3日午前に津波警報が発表された影響で、沖縄県内の空港を発着する98便が欠航しました。

欠航したのは
▽日本トランスオーシャン航空が26便
▽日本航空が14便
▽ピーチ・アビエーションが14便
▽全日空が13便
▽スカイマークが11便
▽ソラシドエアが9便
▽琉球エアーコミューターが8便
▽ジェットスターが3便 です。

那覇空港では昼すぎの運航再開以降、多くの便で遅れが発生していて、なかには5時間近く出発が遅れている便もあったほか、県外に向かう便はほぼ満席になっていて、空港の出発ロビーは午後も混雑が続きました。

家族で観光で訪れていて、予約していた飛行機の出発が遅れるという東京の男性は「子どもがいるので遅くなるのが心配です。警報が出て、ホテルを出るときはどうすればよいかわからず心配でしたが、大きな被害が何もなくてよかったです」と話していました。

また、家族3人で観光に来ていて、振り替えた飛行機が欠航になったという三重県の女性は「きょうは諦めました。今晩はきのう泊まったホテルに泊まろうかと思います。あすの仕事は休みますが、ついていなかったです」と話していました。

全日空は13便が欠航

全日空は那覇空港と新石垣空港、宮古空港を発着するあわせて13便が欠航しました。このほかの便も出発した空港に引き返したり、目的地を変更したりしたため、あわせておよそ2630人に影響が出たということです。

成田空港発着の6便 欠航

成田空港会社によりますと、成田空港を発着する空の便は計6便が欠航しました。

このうち出発便では、午前7時台と午前8時台に那覇空港や新石垣空港に向かっていた3便が引き返して欠航となりました。また、その折り返しで成田空港に到着する予定だった3便も欠航したということです。

茨城空港で2便欠航

茨城空港では、那覇空港とを結ぶスカイマークの2便が欠航しました。スカイマークによりますと、茨城と那覇を結ぶ便は、4日は通常どおりの運航予定だということです。

那覇空港 利用者を3階に避難

那覇市にあり海岸を臨む位置にある那覇空港を管理する那覇空港ビルディングによりますと、津波警報が発表されたことを受けて、利用客を3階に避難させているということです。

宮古空港 ビルの2階・3階に避難呼びかけ

宮古島にある宮古空港のターミナルビルによりますと、現在、空港のすべての利用者とスタッフに対して、ビルの2階と3階に避難するよう呼びかけているということです。

【フェリーなど】

石垣島~周辺離島で欠航

石垣島と周辺の離島を船で結ぶ「八重山観光フェリー」と「安栄観光」は、津波警報が出たあと、すべての便で欠航しているということです。

5航路が運休 国交省

国土交通省のまとめによりますと、午前10時半現在、沖縄県内のフェリーなどの旅客船は、慶良間諸島や久米島、それに南北の大東島などであわせて5つの航路が運休になっているということです。

【道路】

沖縄自動車道 許田IC~那覇IC 通行止め

沖縄自動車道は津波警報が発表されたため、許田インターチェンジと那覇インターチェンジの間の全線で、午前9時15分から通行止めになっています。

“車による避難で混雑” 石垣市

沖縄県与那国町から通院のために石垣市を訪れていた70代の男性は、「これまでに感じたことのないけっこうな揺れを感じ、その後、スマートフォンが鳴って津波警報を知った。病院で治療を受けていたが、石垣市の中央運動公園の体育館前に避難した。ものすごい人数が集まっていて、周囲は車が渋滞しこのあたり一帯は人と車が滞留している」と話していました。

【港】

漁業者も避難 与那国町

震度4の揺れが観測され、津波警報が出されている与那国町の漁業者の男性は、「揺れを感じた時漁港で作業していたが、津波警報が出て防災無線が鳴ったため、今は高台に避難している。漁船など複数の船が沖合に避難している。津波はひさしぶりなのでびっくりした」と話していました。

【病院】

患者 職員ら300人が7階に避難 豊見城市

沖縄県豊見城市の海沿いにある社会医療法人友愛会友愛医療センターでは、海抜の低い1階などにいた外来患者や職員など300人が7階に避難しているということです。

避難している人たちは窓から海の様子を不安そうに見ているということです。

【学校・避難所など】

“中学校に100人近く避難” 与那国町

震度4の揺れが観測され、津波警報が出されている与那国町の公共施設に勤務している40代の男性は、「揺れはだんだん大きくなり、長く揺れた。施設の前にある中学校のグラウンドには、町の職員を含め100人近くが避難していて、不安な様子で待っています」と話していました。

“小学校に100人以上避難” 石垣市

石垣市の指定緊急避難場所に指定されている石垣小学校の担当者は「津波警報を受けてすでに100人以上が避難に来ています。学校の屋上を解放して対応しています」と話していました。

“島民の半数が避難” 竹富町 黒島

およそ220人の住民が住む、沖縄県竹富町の黒島の黒島小中学校の担当者は「津波警報のあと、島民の半数にあたる100人以上が避難してきています。当初は屋上に避難していましたが、今は校舎の2階も解放して対応しています。今のところ津波の被害はありません」と話していました。

“ホテルに600人避難” 沖縄市

沖縄市にあるリゾートホテルには、午前10時半ごろまでに近くの住民など600人ほどが避難しているということです。

このホテルは、沖縄市の沿岸部から内陸側に車で10分ほどの場所に位置していて、ホテルのオーナーによりますと、近くの保育園に通う子どもたちや地元の住民などが避難しているということです。子どもを迎えに来る保護者の姿も見られるということです。

ホテルは、1階のホールと宴会場を開放して避難してきた人たちを受け入れていて、水なども配っています。

ホテル上階への移動を勧めるなど対応 宮古島

津波警報が出ている宮古島の沿岸部から1.5キロほど離れた場所にある「たびのホテルlit宮古島」では、特に混乱はなく、宿泊客は部屋に待機しているということです。

従業員によりますと一部の宿泊客からここにとどまって大丈夫かという問い合わせがあったため、近くの避難所の場所を紹介したり10階建てのホテルの上の階への移動を勧めたりしているということです。

NHKの取材に対して従業員は「特に揺れを感じることはなくエレベーターが止まることもありませんでしたが、非常階段もすぐに使えるように準備しています」と話していました。

警察署員も高台避難 宜野湾

宜野湾警察署は、署にいる警察官が高台にある宜野湾自動車学校に避難していて、このあと電話がつながらなくなるということです。

電話は、110番にかけるよう呼びかけています。

アメリカ軍基地でも避難受け入れ

北谷町によりますと、アメリカ軍側に住民の受け入れができるか確認したところ、アメリカ軍側から嘉手納基地とキャンプ瑞慶覧で避難を受け入れると連絡があったということです。

基地内には車での避難も可能だということです。

アメリカ軍基地に避難 北谷町

北谷町に住む女性は、「車で避難していたところ、近くの嘉手納基地のゲートが開いたため、アメリカ軍の誘導で、移動しました。今は、車の中で待機しています。基地内には避難してきた車など20台から30台がとまっています」と話していました。

【生活】

スーパーは順次、営業再開

沖縄県内のスーパーは一時、臨時休業を決めたり、開店を遅らせたりしていましたが順次、営業を始めています。

▽「かねひで」は、県内すべての店舗を臨時休業にしていましたが、すべての店舗で営業を再開しました。

▽「リウボウストア」も一部店舗で臨時休業していましたが、午前11時半から営業を再開したほか、デパートの「リウボウ」も午前11時半から営業を開始しました。

▽「サンエー」は県内の一部の店舗を臨時休業していましたが、準備が整いしだい営業を再開するとしています。

▽「ユニオン」は県内3つの店舗を閉店していましたが、午前11時20分から営業を再開しています。

【旅行・観光】

旅行各社 情報収集進める

国内の旅行会社は、沖縄や台湾へのツアーなどに参加している旅行客の状況や影響について情報収集を進めています。

▽JTBと▽エイチ・アイ・エス、▽阪急交通社は、午前11時現在、ツアーなどの旅行客に被害の情報がないか、確認中だということです。

▽東武トップツアーズは、台湾への航空券を手配した個人の旅行客6人について、国内の営業所からの情報で安全が確認できているということです。

▽読売旅行は、沖縄の本島に滞在する観光ツアーが複数ありましたが、すべての旅行客の無事を確認しているということです。

沖縄の離島や台湾に現在滞在しているツアー客はいないということですが、今月7日に豪華客船「クイーン・エリザベス」で台湾に向かうツアーを予定していて、現地の情報を確認するとともに、今後の実施については船会社の判断をもとに検討することにしています。