バイデン大統領と習近平国家主席 電話で首脳会談 両政府が発表

米中両政府はバイデン大統領と習近平国家主席が電話で首脳会談を行ったと発表しました。両首脳による会談は去年11月以来、およそ4か月半ぶりで、両国の間で対立が続く台湾情勢などをめぐって意見を交わしました。

米中両政府の発表によりますと、バイデン大統領と習近平国家主席は2日、電話で会談したということです。

両首脳の会談は去年11月にアメリカ西海岸のサンフランシスコ近郊で対面で行って以来、およそ4か月半ぶりで、ホワイトハウスは声明で「協力分野や立場に違いのある分野を含めて、率直かつ建設的な議論を行った」としました。

アメリカ側の発表によりますと、バイデン大統領は来月、頼清徳政権が発足する台湾をめぐり、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調したということです。

中国外務省によりますと、これに対し、習主席は「台湾問題は中米関係の越えてはならない第1のレッドラインだ。『台湾独立』勢力の分裂活動と外部からの支持をわれわれは放任しない」と述べけん制しました。

また、バイデン大統領は会談で、中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海のセカンド・トーマス礁の海域で、中国海警局の船がフィリピンの船に放水し、けが人が出ていることなどを踏まえ、法の支配と航行の自由の重要性を強調したとしています。

アメリカ財務省は今回の首脳会談に続き、イエレン財務長官が今月3日から9日の日程で中国を訪問すると発表し、バイデン政権の高官はブリンケン国務長官も数週間以内に中国を訪問する予定だとしています。

バイデン政権は米中の間で台湾や南シナ海情勢などで対立が続く中、対話を維持することで関係の安定化を図りたい考えです。

大統領補佐官「首脳レベルでの定期的な意思疎通」重要性強調

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官はバイデン大統領と中国の習近平国家主席が電話で会談したあと、記者会見し「われわれは複雑で、時に緊張を伴う2国間の関係を効果的に管理するには、首脳レベルでの定期的な意思疎通にかわるものはないと考えている」と述べて首脳間で対話を重ねる重要性を強調しました。

林官房長官「中国は大国としての責任を」

林官房長官は午前の記者会見で「米中両国の関係の安定は国際社会にとっても極めて重要だ。日本としては引き続き、同盟国であるアメリカとの強固な信頼関係のもと、さまざまな協力を進めつつ、中国に対し大国としての責任を果たすよう働きかけていきたい」と述べました。