【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月3日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省“契約軍人登録の市民急増 テロへの復讐願望”

ロシア国防省は3日、ウクライナでの兵役につくため契約軍人として登録された市民がこの10日ほどの間で1万6000人に上り急増していると発表しました。

登録を希望する人が増えている背景について、ロシア国防省は「契約の面接に訪れた人のほとんどはモスクワ州で起きた悲劇で亡くなった人々のために復讐したいという願望を示した」として、3月に首都モスクワ郊外で起きたテロ事件が背景にあると主張しました。

国防省が公開した映像では、軍と契約を結んだとみられる男性が「今こそ祖国を守るために行動し、契約するときだ。さもなければ悲劇がやってくる」などと話しています。

3月22日にモスクワ郊外のコンサートホールで起きたテロ事件では、過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある「アマーク通信」がISの戦闘員による犯行だと伝えています。

これに対してプーチン政権は、テロ事件の背後にはウクライナがいるとする主張を強めていて、これをきっかけにウクライナでの兵力を増強しようとしているとみられます。

岸田首相 ゼレンスキー大統領と電話会談「一貫して支援継続」

ロシアによる軍事侵攻をめぐり、岸田総理大臣は、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、一貫して支援を継続していく考えを伝え、引き続き緊密に連携して対応していくことで一致しました。

電話会談は、ゼレンスキー大統領の呼びかけで、3日午後5時前からおよそ30分間、行われました。

この中で岸田総理大臣は、ロシアによる軍事侵攻に対する戦いを続けているゼレンスキー大統領と国民の勇気に敬意を示しつつ、「日本がウクライナとともにあるという姿勢は揺るがない」と述べました。

その上で、ことし2月に東京で行われた「日・ウクライナ経済復興推進会議」での合意に沿って、地雷の除去やがれき処理、それに農業の生産性向上などの事業を着実に実施に移していくことを含め、日本として一貫してウクライナ支援を継続していく考えを伝えました。

これに対し、ゼレンスキー大統領からは、日本のこれまでの取り組みに深い謝意が示され、両首脳は、引き続き緊密に連携して対応していくことで一致しました。

米政府 標的コンサートホール名をロシア側に事前伝達か 米有力紙

モスクワ郊外のコンサートホールで3月22日に起きたテロ事件では、これまでに144人が死亡、551人がけがをしました。

アメリカの有力紙、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは2日、複数のアメリカ政府当局者の話として、アメリカ政府が実際に標的となったコンサートホールの名前を具体的に挙げてテロのおそれがあるとロシア側に事前に伝達していたと伝えました。

アメリカ政府はこれまで、「コンサートなどが標的となる可能性のあるテロ計画に関する情報をロシアに伝えた」としていますが、詳細については明らかにしていません。

この事件では、これまでに実行犯として中央アジアのタジキスタン出身の4人が起訴され、過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある「アマーク通信」は、ISの戦闘員による犯行だと伝えています。

プーチン政権は、ウクライナが事件に関与した疑いがあると主張しているのに対し、ウクライナ国防省は、ロシアはテロ計画の情報を入手していたにもかかわらず、テロを防がず、ウクライナ側に責任を負わせようとしているとして、強く反発しています。

米政府からのテロ情報伝達「ロシア大統領府の権限ではない」

アメリカ政府が標的となったコンサートホールの名前を挙げてテロのおそれがあるとロシア側に事前に伝達していたとアメリカの複数の有力紙が伝えたことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は3日、記者団に対し、「こうした情報の交換は治安機関のチャンネルで行われるため、大統領府の権限の範ちゅうではない」と述べました。

国境から1000キロ超 ロシア中部をウクライナ無人機で攻撃か

ウクライナとの国境から1000キロ以上離れたロシア中部のタタルスタン共和国で無人機による攻撃があり少なくとも13人がけがをしました。

ウクライナのメディアはウクライナ国防省の情報総局などによる攻撃だったと伝えています。ロシア中部にあるタタルスタン共和国の当局は2日、共和国の2か所で無人機による攻撃があったと明らかにしました。

地元当局によりますと、工場が攻撃され、工場で働いている学生ら少なくとも13人がけがをしたということです。

また、製油所が攻撃され、火災が発生したということです。

ウクライナの複数のメディアは、今回の攻撃はウクライナ国防省の情報総局などが行ったもので、長距離を飛行できる無人機が使われたなどと伝えています。

タタルスタン共和国はウクライナとの国境から1000キロ以上離れており、ロシアメディアは、タタルスタン共和国が攻撃を受けたのはこれが初めてだとしています。

ロシア軍 3月はウクライナのエネルギー施設に192回の攻撃

ロシアもウクライナにあるエネルギー施設への攻撃を強めていて、ロシアのショイグ国防相は、2日、軍の幹部との会議で、ロシア軍が3月ウクライナのエネルギー施設に対しミサイルや無人機を使って192回の攻撃を行ったと述べました。

また、ショイグ国防相は、一方的に併合したウクライナ南部クリミアを拠点とするロシア海軍の黒海艦隊の司令官にセルゲイ・ピンチュク中将が任命されたと発表しました。