ガザ地区で食糧支援のスタッフ7人死亡 イスラエル軍の攻撃で

食料不足が深刻化するガザ地区で支援活動を行ってきた国際的なNGOは、オーストラリアやポーランドなど出身のスタッフ7人が、イスラエル軍による攻撃で死亡したと明らかにし、関係国などからイスラエルに対する非難の声が上がっています。

パレスチナのガザ地区などで食料支援活動を続けている国際的なNGO、「ワールド・セントラル・キッチン」は2日、ガザ地区で活動していたスタッフ7人がイスラエル軍による攻撃で死亡したと明らかにしました。7人は、オーストラリアやポーランド、それにイギリスなどの出身だとしています。

NGOは「食料が武器として使われている最も悲惨な状況で活動する人道支援組織に対する攻撃でもあり、許しがたい行為だ」としてイスラエルによる攻撃を厳しく非難しました。

また、オーストラリアのアルバニージー首相は「支援関係者の死に対する完全な説明責任を期待する。人道支援活動を行う人々、そしてすべての罪のない市民は保護されるべきであり、決して受け入れられない」と述べました。

さらにEUの外相にあたるボレル上級代表は「攻撃を非難し、調査を強く求める。民間人や人道支援を行う人を保護するためのあらゆる要求にもかかわらず、罪のない新たな犠牲者を目の当たりにしている」とSNSに投稿するなど、イスラエルに対する非難の声が高まっています。

一方、イスラエル軍の報道官は「昨夜、ガザ地区で起きた事案で悲劇的な死を招いた。国際法を守るプロの軍隊として、徹底的かつ透明性を確保し作戦を検証する」とSNSに投稿しました。

イギリス スナク首相「イスラエルには責任がある」

国際的なNGO「ワールド・セントラル・キッチン」がイギリス出身のスタッフなどが死亡したと明らかにしたことを受けて、イギリスのスナク首相は2日、声明で詳細を確認しているとした上で「スタッフはガザ地区で多くの人たちが経験している苦しみを軽減させるすばらしい活動を行っている。活動は妨げられるべきでなく、イスラエルには活動を行えるようにする責任がある」と述べました。その上で「イスラエルに対して何が起きたのかを直ちに調査するよう求めた」としています。