中国軍 ミャンマーとの国境付近で実弾演習 情勢不安定化警戒か

中国軍は2日から、隣国ミャンマーとの国境付近の中国側で実弾演習を行うと発表しました。ミャンマー北部では先月以降、ミャンマー軍と少数民族の武装勢力との間で戦闘が激化していて、中国としては隣国の情勢のさらなる不安定化に警戒を強めているとみられます。

中国軍の南部戦区は、年間計画に基づき、2日から隣国ミャンマーとの国境付近の中国側で、陸軍と空軍による合同の実弾演習を行うと発表しました。

ミャンマーでは、北部カチン州でミャンマー軍と少数民族の武装勢力が激しく衝突していて、ミャンマーのメディアによりますと、先月上旬以降、少数民族の武装勢力が攻勢を強めこれまでに軍の拠点を数多く占拠したほか、中国との国境に近い地域を制圧したということです。

中国軍は去年の秋、ミャンマー東部のシャン州で3つの少数民族の武装勢力が一斉にミャンマー軍への攻撃を開始した際も、ミャンマーとの国境の封鎖などを想定した演習を行ったとしています。

今回の演習について、中国軍の南部戦区の報道官は「常に緊急事態に対応できる準備を整え、国家の主権や国境の安定、人民の生命、財産の安全を断固として守る」としていて、隣国の情勢のさらなる不安定化に警戒を強めているとみられます。