トヨタ 研究開発拠点完成で記念式典 本社一体で競争力高める

トヨタ自動車が愛知県の本社の近くに整備を進めてきた12種類のテストコースを備える研究開発拠点が完成し、記念の式典が行われました。本社と一体となった研究開発を進めることで競争力を高めるねらいがあるとしています。

トヨタは、愛知県豊田市の本社から車で30分ほどの距離にある山間部の650ヘクタールの敷地に、およそ3000億円を投資して新たな研究開発拠点の整備を進めてきました。

このほど、すべての施設が完成して全面的な運用が始まり、2日は地元の関係者やトヨタの幹部らおよそ80人が出席して記念の式典が行われました。

この中では豊田章男会長が「とにかく道を走り、壊して直す、これを繰り返していくことこそがクルマを作ることだと思う。ここでもっといいクルマづくりを加速していくことを誓います」とあいさつしました。

この拠点には、長さ2キロの直線コースやヨーロッパの山岳地帯を想定した高低差60メートルのコース、雪や氷の上など滑りやすい路面を再現したコースなど、合わせて12種類のテストコースが整備され、ガソリン車やEV=電気自動車などさまざまなタイプの車の性能や品質を評価し改良するために使われるということです。

この拠点ではおよそ3000人が働く予定で、本社と近い場所にあるメリットを生かして本社と一体となった研究開発を進め、競争力を高めるねらいがあるとしています。

式典に出席したレクサスインターナショナルの渡辺剛プレジデントは「モビリティへの進化を遂げていくためにも車作りの基本となる部分をここで徹底的に鍛えて、これからの車の提供価値を開発したい」と話していました。