石川 七尾湾特産「能登かき」養殖業 2億円被害 廃業する業者も

能登半島地震では石川県の七尾湾特産の「能登かき」の養殖業にも大きな被害が出ました。地震による被害額は少なくとも2億円に上り、廃業を決める業者も出ていることが地元の漁協の調査でわかりました。

石川県の七尾湾でとれる「能登かき」は波の穏やかな湾で年間を通して養殖されるブランドかきで、身が大きく、うまみが強いのが特徴です。

ことし1月の地震では、水揚げをする港や養殖業の施設に被害が出ていて、港の一つ、瀬嵐漁港でも護岸が50センチほど下がったり、地面が大きく割れたりしました。

県からの依頼をうけて地元の漁協が39の養殖業者に被害について調査したところ、かきを加工する作業場や海水をくみ上げるポンプや配管、それに沖合のかきだなが壊れるなどの被害が確認されました。

被害額は少なくとも2億円に上るということです。

さらに、再建の見通しがつかず、廃業を決めた業者が2つあるほか、廃業を検討している業者も複数あるということです。

石川県漁業協同組合七尾西湾出張所の山口達也 運営部会長は「能登かきはこの地域の主幹産業の一つで、雇用においても本当に守っていかないといけない産業です。養殖業者が再建できるよう補助制度を紹介するなどサポートしていきたいです」と話しています。