上水道の整備・管理 国交省へ移管 “設備耐震化など効率的に”

上水道の整備や管理が4月1日、厚生労働省からこれまで下水道の整備や管理を担ってきた国土交通省へ移りました。国土交通省は上下水道を一元的に管理することになり、能登半島地震でも課題となった設備の耐震化などを効率的に進めたいとしています

上水道に関する行政はこれまで厚生労働省が担ってきましたが、4月1日から国土交通省に移管されました。

斉藤国土交通大臣は新たな組織の発足に合わせて「水道と下水道の一層の連携強化に努めてほしい。能登半島地震の被災地に一日も早く水を届けるよう一体となって全力で取り組んでほしい」と訓示しました。

上下水道を巡っては高度経済成長期以降に急速に整備されたため、設備の老朽化が進んでいるほか、能登半島地震では地震の揺れなどで管路に大きな被害が出るなど耐震化が課題となっています。

国土交通省は、上下水道の設備の耐震化や更新を一体で行う自治体を対象に補助制度を設けるほか、全国の地方整備局などに新たに上水道の担当者を配置し、事業を運営する自治体との連携を強化して対策を進めたいとしています。

国土交通省の松原誠上下水道審議官は「能登半島地震も踏まえて施設の耐震化をさらに進めるとともに、人口減少で収入が減る中で自治体が事業をどう継続していくかについても考えていきたい」と話しています。

能登半島地震では地震の揺れや土砂崩れなどの影響で浄水場や水を通す「管路」に大きな被害が出て今なお断水が続いている地域があります。

国の調査では水道の管路の1キロ当たりの被害か所数は、能登町で2.66、輪島市で2.63などと、阪神・淡路大震災での兵庫県芦屋市の1.61、熊本地震の熊本県西原村の0.43など過去の災害と比べても多く、地震災害の対策が改めて問われています。

国は上下水道の被害が拡大した要因や今後の地震対策のあり方について議論を進めていて、来月ごろをめどに中間とりまとめを行うとしています。