LINEの利用者の大規模な情報漏えい問題で3月、総務省から行政指導を受けたLINEヤフーは1日、再発防止策などをまとめた報告書を提出しました。
会社が公表した概要によりますと、サイバー攻撃による漏えいの原因となった韓国のIT企業、ネイバーへのセキュリティー業務の委託について、ことし9月末をめどに解消したうえで、そのほかの社内システムの運用についても、ことし6月までに委託を見直す計画を策定するとしています。
そのうえで、サービスの開発の委託や、ネイバーのシステムの利用についても終了・縮小する方針を示しました。
一方、総務省は、ネイバーがLINEヤフーの親会社に50%出資している今の資本関係についても、見直しの検討を求めています。
これについては、ネイバーのほか、親会社に出資するソフトバンクなどに対して、「見直しを要請している」とする報告にとどまりました。
そのうえで、LINEヤフーの経営体制についても見直しの議論を始めたとしています。
会社は3年前にも個人情報の管理をめぐる問題が明らかになり、総務省は今後も3か月に1度、対策の実施状況などの報告を求めています。
LINEヤフー 総務省に再発防止策報告 情報漏えい問題で
LINEの利用者の大規模な情報漏えい問題で、運営会社のLINEヤフーは1日、総務省に再発防止策などを報告し、漏えいの原因となった韓国の企業への業務委託を見直す方針を示しました。
総務省は「LINE」「ネイバー」の関係性を問題視
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総務省は、LINEと、その親会社に出資している韓国のIT企業、ネイバーとの関係性を問題視しています。
総務省は3月5日、LINEヤフーに行った行政指導の中で、情報漏えいの原因として、LINEの情報のアクセス権限をネイバーに広い範囲で認めてきたことを指摘しました。
さらにLINEのシステムは、ネイバーからの技術的な支援を受けて複雑化しているため、いまでも保守や運用をネイバーに頼らざるを得なくなっているとしています。
そのうえで総務省は、LINEを運営する「LINEヤフー」の64%の株式を保有する親会社「Aホールディングス」の出資比率についても指摘しました。
Aホールディングスには、▽通信大手のソフトバンクが50%の株式を保有する一方、▽ネイバーも同じく50%を保有し、対等の出資比率になっています。
総務省はこの資本関係について、業務委託先の立場でもあるネイバーから資本的な支配を相当程度受ける関係であり、LINEヤフーがネイバーを適切に管理監督できていない原因になっていると指摘しています。
このため、総務省の行政指導は、この資本関係も含めて経営体制を見直す検討を求める異例の内容となっていました。
ただ、LINEヤフーが1日に総務省に提出した報告書では、資本関係については、ソフトバンクやネイバーに対し、見直しを要請しているとする報告にとどまりました。
出資比率やスケジュールといった具体的な内容は示していません。
ネイバーは利用者が多い日本でのLINEの事業を重要視しているとされ、資本関係の見直しの協議がどこまで進むかは不透明となっています。