韓国 医療改革に激しい反発もユン大統領は必要性を改めて強調

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は医療界から激しい反発を受けている医療改革について談話を発表し、改革の必要性を改めて強調しました。総選挙まで1週間余りとなる中、従来の立場を確認した形ですが、こうした姿勢が選挙戦にどう影響するかに関心が集まっています。

韓国ではことし2月、政府が将来の医師不足に備えるためとして医学部の定員を60%以上増やすなどとした医療改革を発表しました。

これに医療界は「急激な増員は医療の質の低下を招く」などと激しく反発し、およそ1万人の研修医が政府に抗議するため、1か月以上の間、勤務先の医療機関を離脱した状態が続いています。

この問題についてユン・ソンニョル大統領は4月1日、テレビ中継で国民向けの談話を発表しました。

この中でユン大統領は「いま進めている医療改革は国民皆さんのためのものだ」と述べて、改革の必要性を改めて強調しました。

一方で、対立する医療界には「より妥当で合理的な案を持ってくれば、いくらでも議論は可能だ」として、対話の用意があるという姿勢を示しました。

韓国では今月10日に総選挙の投票が行われますが、地元メディアでは与党の苦戦が伝えられています。

ユン大統領としては、医療改革に関する従来の立場を確認した形ですが、こうした姿勢が選挙戦にどう影響するかに関心が集まっています。