いざ花見商戦 去年を上回る?高まる期待

いざ花見商戦 去年を上回る?高まる期待
3月29日、気象庁は「東京でサクラが開花した」と発表しました。ことしは、新型コロナが5類に移行してから初めての花見シーズン。花見商戦の現場では、去年を上回る盛り上がりを期待する声が相次いでいます。
(高松放送局記者 竹内一帆/広島放送局記者 十石泰誠)

花見楽しむ屋形船は…

東京の桜の開花が発表された前日の28日、私(十石)は、隅田川を運航する屋形船の取材に訪れました。
この船を運航する都内の会社では、隅田川沿いの桜並木やスカイツリーなどを眺めながら飲食を楽しむ、およそ2時間半の周遊コースを用意しています。

取材に訪れた日、川沿いの桜はほとんど咲いていませんでしたが、乗船した客たちは食事をしながら談笑したり、船内からの景色を眺めたりして、思い思いに楽しんでいました。
孫と夫婦で乗船した客
「以前から乗ってみたかったのですが、孫が一緒に連れて行ってあげると言ってくれ、実現しました。桜が咲いていなかったのは少し残念ですが、孫と食事をしながら話すことができたので最高によかったです」
アメリカからの客
「アメリカのフロリダ州から観光で来ました。桜を見たいなと思い乗りましたが、まだ咲いていませんね。ステーキやお刺身がおいしくてよかったです」

客が大幅増 4月も期待

船の運航会社では、ことしの花見シーズンに大きな期待を寄せています。

訪れる客の数が、去年の同じ時期を大きく上回っているためです。
花見が目当ての客からの予約が多くを占めるという3月。

ことしの客数は、去年の同じ月のおよそ1.5倍にあたる、8000人余りとなりました。

中でも外国人観光客は急増していて、去年の同じ月のおよそ6倍にあたるおよそ3000人に上りました。

ことしは、新型コロナが5類に移行してから初めての花見シーズン。

会社では、屋形船の楽しみ方がコロナ禍前の状況に戻りつつあると、大きな手応えを感じています。
安藤さん
「ことしは団体客も非常に増え、お客さまがどんどん増えているという状況です。船内での宴会の楽しみ方も少しずつコロナ禍前の姿に戻りつつあると感じます。桜の時期は1年の中で一番忙しい時期になります。桜の開花が遅れてお花見の期間がさらに延びていくので、よりたくさんのお客さまに来てもらいたいです」

開花遅れで新たな対応も

ことしの東京の桜の開花の発表は、平年より5日、去年より15日遅くなりました。

それに伴い、新たな対応を打ち出した会社もあります。

都内のバス会社は、東京駅を出発し、1時間で桜の名所をめぐるバスツアーを3月20日から毎日行っています。
ただ、桜の開花が当初の予想より遅れていたことから、急きょツアーの開催期間を5日間延長し、4月12日まで続けることを決めました。

私(竹内)がバスツアーに取材で同行したのは、東京で桜の開花が発表される前日でしたが、バスの座席はほぼ満席。

ツアーでは、バスガイドがわずかに咲き始めた桜を紹介したり、都内の桜の名所やその歴史を説明したりして、乗客たちを楽しませていました。
このバス会社では、都内の桜を鑑賞するツアーの本数を去年よりおよそ3割増やしました。

会社によると、すでに3月だけで、去年の花見シーズンの客数を上回っているということで、4月以降もさらなる客数の増加に期待しています。
棟近さん
「桜の開花宣言とともに、いままで桜が咲くのを心待ちにしていた方に一気に利用していただけるのではないかと思って、期待しています」

デパート “大人数で楽しむ客”見込む

お花見の大きな楽しみの1つが、桜を眺めながら楽しむ弁当や飲み物です。

都内のデパートでは、3月から花見向けの弁当や桜をテーマにしたスイーツなどおよそ80種類を販売しています。
ことしは大人数で花見を楽しむ客が増えるとみて、すしやオードブルといったグループで分け合う商品の販売に力を入れているということです。

去年、花見に関連する弁当や総菜などの売り上げが前の年と比べておよそ4割増えたというこのデパート。

ことしは、新型コロナが5類に移行してから初めての花見シーズンということもあり、去年を上回る売り上げを期待しているということです。
鈴木さん
「ことしは人の流れも多く、店のある東京駅周辺は桜の見どころもたくさんあるので期待しています。ことしは去年より10~15%ほど売り上げを伸ばしたいです」
ことしのお花見シーズン。

みなさんはどのように過ごしますか?

(3月29日「おはよう日本」で放送)
高松放送局記者
竹内 一帆
2015年入局
地域の経済や交通の取材を担当
広島放送局記者
十石 泰誠
2023年入局
原爆や教育に関する取材を担当