【1日 詳細】ネタニヤフ首相に批判高まる 大規模抗議集会

イスラエルでは人質解放を実現できていないネタニヤフ首相への批判が高まっていて、3月31日には大規模な抗議集会が行われました。
こうした中、ネタニヤフ首相は会見を開き、人質解放に向けて全力を尽くしていると強調しました。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間4月1日の動きをお伝えします。

イスラエル ガザ地区北部での軍事作戦を終了したと発表

イスラエル軍は1日、ガザ地区北部にあるシファ病院周辺で続けてきた軍事作戦を終了し、撤収したなどと発表しました。

シファ病院周辺では3月中旬からイスラエル軍による激しい攻撃にさらされていて、地元の当局は、400人以上が殺害されたなどとしています。

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長はSNSで、先月18日にイスラエル軍が病院を包囲して以降、患者21人が死亡したと明らかにしました。

また、107人が必要な医療などを受けられない状況にあるとして停戦を改めて強く求めました。

ロイター通信は、イスラエル軍が撤収したあとのガザ地区北部のシファ病院やその周辺の映像を配信しました。

この中では、シファ病院やその周辺の建物が大きく破壊されているほか、多くの遺体が埋葬されている仮設の墓の様子も映されています。

患者の男性は「食料は十分になく、治療も薬もなかった。24時間空爆がやまないので寝ることはできず、恐ろしかった。私たちはイスラエル軍が撤収するのを待っていたが、きょうまでせず、15日間このような状況だった」と話していました。

米 イスラエルとオンライン協議の見通し 事態打開の糸口になるか

イスラエル軍が150万人近くが身を寄せるガザ地区南部ラファへの地上作戦を強行する姿勢を崩さない中、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、アメリカが、自身が示す代替案を巡ってイスラエルと1日にもオンラインで協議する見通しだと伝えました。

双方の協議は先月、国連安全保障理事会でラマダン期間中の即時停戦を求める決議案に、アメリカが拒否権を行使しなかったことにイスラエルが反発し、予定していた代表団の派遣を取りやめると発表していただけに、今回の協議が事態打開に向けた糸口になるかが焦点です。

エルサレムで抗議集会 数万人が議会前に集まり首相の辞任求める

イスラエルでは、交渉による人質解放を実現できていないネタニヤフ首相への批判が高まっています。

エルサレムでは3月31日、数万人が議会前に集まり、ネタニヤフ首相の辞任を求める大規模な抗議集会が行われました。

AP通信は、この集会について、去年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから最大規模となったと伝えています。

友人が人質になっているという女性は「政府はやるべきことを何もやっておらず、即時、退陣すべきだ」と話していたほか、60代の男性は「ガザの子どもたちも多く殺されているし、人質の解放もできていない。ネタニヤフ首相は辞任すべきだ」と話していました。

ネタニヤフ首相 “人質解放に向け全力尽くしている”

こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は会見を開き「人質を取り戻すために私が全力を尽くしていないという人たちは間違っている。イスラエルは交渉に柔軟に応じているのに対し、ハマスがかたくなになっている」とハマス側を批判しました。

そして、ネタニヤフ首相は「ラファにいるハマスの部隊を排除しなければ勝利はない」と述べ、ガザ地区南部のラファに侵攻する構えを改めて示しました。

イスラエル交渉団 仲介国のエジプトに到着

イスラエルとハマスの間で続いている戦闘休止と人質解放などをめぐる交渉について、複数のイスラエルメディアは3月31日、イスラエルの交渉団が仲介国のエジプトに到着したと伝えました。

これまでの交渉では、ハマス側が人質解放の条件として完全な停戦や、ガザ地区北部への住民の帰還などを求めているのに対し、イスラエル側は要求に応じておらず、協議は中断しています。