ローマ教皇 復活祭のスピーチで紛争犠牲者を悼み 停戦呼びかけ

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、復活祭の恒例のスピーチでガザ地区やウクライナなどで続く紛争の犠牲者を悼み、ガザ地区での一刻も早い停戦を改めて呼びかけました。

フランシスコ教皇は31日、バチカンでキリストの復活を祝うイースターのミサを行ったあと、サンピエトロ大聖堂のバルコニーから集まった信者を前にスピーチしました。

この中で「イスラエルとパレスチナ、ウクライナをはじめとする、世界各地の紛争の多くの犠牲者に思いをはせる」と述べたうえで、ガザ地区では人道支援の確保や人質の解放、即時停戦を、ロシアとウクライナの間では捕虜全員を帰還させることを、改めて呼びかけました。

そして「戦闘によってすでに極限状況にある市民、とりわけ子どもたちに、深刻な影響がおよび続けるのを見過ごしてはならない。戦争は常に愚かで勝者はいない。平和を築くのは武器ではなく、差し伸べられた手と開かれた心だ」と訴えました。

フランシスコ教皇は先月公開されたメディアのインタビューでウクライナ情勢について「最も強いのは国民のことを考え白旗をあげる勇気を持って交渉する人だ」などと述べ、ウクライナ側が不快感を示してローマ教皇庁が釈明する事態となりましたが、この日のスピーチではこうした言及はありませんでした。