2次避難所として利用 富山 黒部のホテル きょう受け入れ終了へ

能登半島地震で被災した石川県輪島市の人たちが2次避難所として利用していた富山県黒部市のホテルは3月31日で受け入れが終わり、一部の人たちが次の仮住まい先などに向けて出発しました。

富山県黒部市の宇奈月温泉にあるホテルは石川県からの要請を受けて、輪島市で被災したおよそ80人を受け入れ、31日朝の時点で自宅などに戻れない22人が避難していました。

ホテルでの受け入れは、事前に決まっていたツアー客の予約があるため、31日の宿泊で終わり、一足早くホテルを出発する人たちの姿が見られました。

その1人、輪島塗職人の坂本雅彦さんは自宅が壊れて傾き、輪島市に建設中の仮設住宅への入居を希望しています。

当面は仮住まい先として工房の2階に家族とともに移り、生活再建を目指すことにしています。

坂本さんは「やっと帰れるという思いです。まだ断水は続いていますが、給水車から水をもらいながら少しずつ仕事を始め、元の場所でもう一度生活したい」と話していました。

31日はホテルのロビーでは、地域の商店街の人たちが集めた募金で、避難している人たちにカレーをふるまいました。

集まった人たちは別れを惜しみながら味わっていました。

石川県内のホテルで避難を続けるという木地信子さんは「黒部の人たちに大変お世話になりました。ただ、輪島に帰るめどは立たず不安で眠れません」と話していました。

ホテルの小中幸一支配人は「少しでも避難者の方に笑顔を取り戻していただけるように笑顔の接客を心がけました。これからも頑張ってほしいです」と話していました。