あすから新年度 食品値上げ続く 公的年金や医療保険どう変わる

4月1日、新年度も食品の値上げが続きそうです。

そのほか、公的年金や公的医療保険などの制度の変更が行われます。

私たちの暮らしにどのような影響があるのでしょうか。

値上げされる食品 約2800品目に

新年度となる4月に値上げされる食品はおよそ2800品目に上ることが、信用調査会社の調査でわかりました。

値上げ率の平均はおよそ23%となっています。

国内の主な食品メーカー195社を対象にした帝国データバンクの調査で、来月、値上げされる食品は価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」を含めて2806品目となっています。

去年の同じ月と比べると48.1%の減少となりますが、3月よりも2000品目以上増えるなど、1か月の品目数としてはことしに入って最も多くなっています。

値上げの品目を詳しくみると、ハムやソーセージ、それに冷凍食品などの「加工食品」が2077品目となり、去年4月以来1年ぶりに2000品目を超えているほか、だし製品やトマトケチャップなどの「調味料」が369品目、ウイスキーやトマトジュースなどの「酒類・飲料」が287品目となっています。

値上げ率の平均はおよそ23%となっています。

ことしの値上げ率は去年やおととしと比べて上昇傾向がみられるということです。

調査した会社によりますと、賃金の引き上げなどに伴う人件費の増加分を価格に転嫁する動きに加え、「2024年問題」に関連した物流費の上昇に伴う値上げもみられるということです。

今後については、円安による輸入コストの増加や世界的な天候不順による原材料価格の上昇などを理由とした値上げがことし夏以降に増える可能性があると分析しています。

公的年金の支給額 前年度より2.7%引き上げも実質減

公的年金の支給額は4月分から、物価や賃金の上昇に伴い、前の年度より2.7%引き上げられます。

具体的には、68歳以下の場合、▽厚生年金は40年間、平均的な賃金で会社員として働いた夫と専業主婦の世帯のいわゆる「モデル年金」で前の年度より6001円増えて月額23万483円、▽自営業者らが受け取る国民年金は満額で1750円増え、月額6万8000円となります。

また、▽69歳以上の人の国民年金は満額で1758円増え、月額6万7808円です。

支給額の引き上げは2年連続で、伸び率はバブル経済の崩壊以来最も高くなりましたが、将来の年金の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みにより、賃金の伸びより0.4%低く抑えられたことから、実質的には目減りとなります。

一方、20歳から60歳になるまで毎月支払う国民年金の保険料は賃金の上昇に伴い、前の年度より460円高い、1万6980円となります。

公的医療保険 75歳以上の保険料増

公的医療保険では比較的収入の多い75歳以上の高齢者の保険料がこれまでよりも増えることになります。

具体的には、年間の年金収入が211万円を超える人が対象で、保険料の上限も今の年間66万円から73万円に引き上げられます。

1人あたりの平均では年間4100円の保険料の増加が見込まれています。

さらに、2025年度からは年金収入が153万円を超える人も対象となり、保険料の上限も80万円に引き上げられる予定です。

こうした引き上げは高齢化に伴う現役世代の保険料負担の増加を抑制するためで、一部はこれまで現役世代が負担していた出産育児一時金の財源にも充てられます。