能登半島地震で被害「あばれ祭」開催へ 復旧費用募る

能登半島地震で、石川県能登町の伝統の「あばれ祭」で使われる「キリコ」と呼ばれる灯籠やみこしをつくる会社に被害が出たことを受けて、地元の人が復旧に必要な費用をクラウドファンディングで募り、祭りの開催を目指しています。

石川県能登町の宇出津地区で毎年7月に行われる「あばれ祭」は江戸時代に始まったとされ、威勢のよい掛け声をあげながら、高さ6メートルを超える「キリコ」と呼ばれる灯籠がまちを練り歩き、能登地方の各地で行われる「キリコ祭り」の始まりを告げるとされています。

ところが「キリコ」の材料を作る製材所と、みこしを製作する工務店が地震による揺れや津波で建物や仕事道具が壊れ、祭りの開催が危ぶまれているということです。

このうち、製材所では倉庫の壁が崩れて建物が傾いたほか、木材加工の機械にひびが入ったり、地下に設置された木くずを処理するためのモーターが水没したりして使えなくなっています。

このため、地元の有志らがことし6月上旬まで、クラウドファンディングで復旧に必要な778万円を目標に費用を募り、ことしの祭りの開催を目指しています。

被災した川端製材所の代表、川端宏二さんは「祭りはこの町のシンボルで、できるかぎりのことをやっていきたい。甘えになるかもしれないが皆さんにも力を貸していただきたい」と話していました。