ウクライナ エネルギー施設を狙ったロシア軍の攻撃相次ぐ

ウクライナでは発電所などエネルギー施設を狙ったロシア軍による攻撃が相次いでいて、防衛産業の能力低下を目的にロシア軍が攻撃をエスカレートさせているとの指摘も出ています。

ウクライナ空軍は30日、ロシア軍が東部ドネツク州で4発のミサイル攻撃をしたほか、南部ヘルソン州など各地で12機の無人機による攻撃を行い、このうち9機を撃墜したと発表しました。

ドネツク州の当局者は、この攻撃で70代の男女2人が死亡したと明らかにしました。

ウクライナではこのところ、ロシア軍による発電所などのエネルギー施設を狙った攻撃が各地で相次いでいます。

ウクライナのエネルギー企業は30日、東部ハルキウ州にあるこの地域最大級の火力発電所が、22日の攻撃で完全に破壊されたことを明らかにしました。大規模な計画停電が続いているということです。

ウクライナの防衛産業を維持するには工場への安定的な電力供給が必要で、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日、エネルギー施設への攻撃は防衛産業の能力を低下させることを目的としている可能性があると分析しています。

そのうえで、新たにダムや水力発電所も標的にし、攻撃をエスカレートさせているとしています。

一方、イギリス国防省は30日、ロシア軍が東部ドネツク州のアウディーイウカの西側でゆっくりと前進し続けていると指摘しています。

そのうえで、ロシア軍は弾薬や装備の数でウクライナ軍を上回っており、月におよそ3万人の兵士を募集して人的な損失を補っている可能性が高いとしています。