【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月31日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

モスクワ郊外 テロ現場でアメリカ大使ら各国の外交官が追悼

ロシアの首都モスクワ郊外で起きたテロ事件の現場を30日、ロシアに駐在する各国の外交官らが訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。

ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで22日に起きたテロ事件では、これまでに144人が死亡、551人がけがをし、ロシアで発生したテロとしては過去20年で最悪の規模となりました。

事件の現場には30日、アメリカの大使などロシアに駐在する各国の外交官が訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。

これまでに、実行犯として中央アジアのタジキスタン出身の4人が起訴され、過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある「アマーク通信」はISの戦闘員による犯行だと伝えています。

一方、プーチン政権は今回のテロ事件にウクライナが背後で関与した疑いがあるとの主張を続けていて、連邦捜査委員会は29日、実行犯らは約束された報酬をウクライナの首都キーウで受け取ろうと、調整役の指示でウクライナ国境の方向に車で向かったと主張しました。

こうした中、タジキスタンの労働次官はタス通信に対しテロ事件の後、ロシア国内で暮らすタジキスタン出身者の間で不安が高まり、帰国する動きが出ていると明らかにしました。

日常生活で嫌がらせを受けたとの相談も寄せられているものの、こうした帰国の動きは一時的なものと見ているということです。

エネルギー施設を狙ったロシア軍の攻撃相次ぐ

ウクライナでは発電所などエネルギー施設を狙ったロシア軍による攻撃が相次いでいて、防衛産業の能力低下を目的にロシア軍が攻撃をエスカレートさせているとの指摘も出ています。

ウクライナ空軍は30日、ロシア軍が東部ドネツク州で4発のミサイル攻撃をしたほか、南部ヘルソン州など各地で12機の無人機による攻撃を行い、このうち9機を撃墜したと発表しました。

ドネツク州の当局者は、この攻撃で70代の男女2人が死亡したと明らかにしました。

ウクライナではこのところ、ロシア軍による発電所などのエネルギー施設を狙った攻撃が各地で相次いでいます。

ウクライナのエネルギー企業は30日、東部ハルキウ州にあるこの地域最大級の火力発電所が22日の攻撃で完全に破壊されたことを明らかにしました。大規模な計画停電が続いているということです。

ウクライナの防衛産業を維持するには工場への安定的な電力供給が必要で、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日、エネルギー施設への攻撃は防衛産業の能力を低下させることを目的としている可能性があると分析しています。

そのうえで、新たにダムや水力発電所も標的にし、攻撃をエスカレートさせているとしています。

一方、イギリス国防省は30日、ロシア軍が東部ドネツク州のアウディーイウカの西側でゆっくりと前進し続けていると指摘しています。

そのうえで、ロシア軍は弾薬や装備の数でウクライナ軍を上回っており、月におよそ3万人の兵士を募集して人的な損失を補っている可能性が高いとしています。