硫黄島で日米合同追悼式 “壮烈な戦いの記憶 徐々に風化”

79年前の太平洋戦争末期に日米両軍あわせて3万人近くが戦死した、激戦地の硫黄島で戦没者を慰霊する両国合同の追悼式が行われ、遺族らが黙とうし、祈りをささげました。

小笠原諸島の硫黄島では昭和20年2月から3月にかけて日本軍とアメリカ軍の間で激しい戦闘が行われ、日本側でおよそ2万1900人、アメリカ側でおよそ6800人が戦死しました。

ことしの日米合同の追悼式には戦没者の遺族や政府関係者など、およそ170人が参列しました。

この中で、日本の遺族でつくる硫黄島協会の寺本鐵朗会長は「壮烈な戦いの記憶も近年では世代も変わり、徐々に風化しつつある。私たちはあのような悲惨な戦いを二度と再び繰り返さぬよう、永く後世に語り継ぐ責任と義務がある」と述べました。

アメリカ側の遺族団体の代表、デービッド・バイスさんは「献身的で勇敢な両国の兵士たちのことは決して忘れられることはない。私たちがここで目にしている和解は日米間の歴史的な友情の揺るぎなき土台となるものだ」と述べました。続いて献花が行われ、全員で黙とうし、祈りをささげました。

式の後、参列者は地下ごうや激しい戦闘が行われた摺鉢山を訪れ、手を合わせていました。