サッカー日本代表 中止の北朝鮮戦は没収試合 W杯最終予選進出

3月26日に北朝鮮のピョンヤンで予定されていたサッカー男子ワールドカップアジア2次予選の日本と北朝鮮の試合について、日本サッカー協会は30日、FIFA=国際サッカー連盟から没収試合にすると通知を受けたと発表しました。FIFAの規定により3対0で日本の勝利となり、日本の最終予選進出が決まりました。

この試合については、北朝鮮側が自国開催が困難だと伝えてきたことを受けてアジアサッカー連盟は、22日に予期せぬ事情で予定どおりの開催ができなくなったと発表しました。

FIFAは23日、試合を延期するには日程に余裕がないことから実施しないと発表し、試合の扱いについてはFIFAの規律委員会で協議するとしていました。

そして30日、日本サッカー協会はFIFAから、この試合を没収試合にすると通知を受けたと発表しました。

FIFAの規定により3対0で日本の勝利となり「グループB」で首位の日本は、2次予選を4戦4勝として6月の2試合を残してアジア最終予選進出が決まりました。

女子代表戦も直前にサウジアラビアに変更

日本と北朝鮮のピョンヤンでの試合をめぐっては、2月に予定されていた女子のパリオリンピックアジア最終予選も準備が難しいことなどを理由に急きょ、サウジアラビアのジッダに会場が変更される異例の事態となっていました。

森保一監督「ひとつ前に進んだとポジティブに捉える」

サッカー日本代表の森保一監督は「選手たちの大切な出場機会が失われたことに変わりないが、ひとつ前に進んだとポジティブに捉えている。当然、この結果に満足することなく、6月の代表活動、最終予選、ワールドカップ本番へと力を積み上げていきたい」とコメントしています。

JFA宮本恒靖会長「予選突破に向けて引き続きよい準備を」

日本サッカー協会の宮本恒靖会長は「日本時間のきょう未明にFIFA規律委員会の決定内容を受け取った。この試合の取り扱いに関するステータスが更新されたことはよかったと思う」とした上で、「ワールドカップ予選突破に向けて、森保監督やスタッフ、選手たちには引き続きよい準備をして試合に臨んでほしいし、JFAとしてもしっかりとサポートをしていく」とコメントしています。

【豆知識】サッカーの「没収試合」とは

没収試合は、一方のチームが何らかの事情で試合が行えない場合や重大な違反があった場合などにそのチームを敗戦扱いとするもので、FIFA=国際サッカー連盟は規定で「没収の制裁を受けたチームは、11人制のサッカーでは3対0で負けたものとみなす」と定めています。これにより北朝鮮は不戦敗となり、日本が3対0で勝利したことになりました。

日本が関係する試合が没収試合となったのは、2014年9月、2対2の引き分けとなったベネズエラとの強化試合があります。

この試合でベネズエラが直前の韓国との試合で退場して出場資格がない選手を出場させていたとしてFIFAが没収試合としました。

日本サッカー協会によりますと、試合をせずに没収試合となるのは、日本代表としては今回が初めてだということです。