珠洲市唯一のタクシー会社 能登半島地震の影響で経営継続断念

石川県珠洲市でタクシーを運行している唯一の会社が、能登半島地震の影響で経営の継続を断念したことがわかりました。3月いっぱいで営業を終えますが、別のタクシー会社から事業承継の申し出を受けていて、今後、交渉を進めるということです。

珠洲市にある「スズ交通」は、運転手や事務員など16人の体制でタクシーを運行し、市民の生活を支える交通手段として使われてきました。

元日に起きた能登半島地震では建物の外壁が剥がれたほか、一部の車両が津波で流されるなどの被害を受けましたが、2月から通常の営業を再開していました。

しかし、経営者の自宅も大きな被害を受けるなど今の体制で経営を続けていくことが困難になったことから継続を断念し、3月いっぱいで営業を終えることを決めました。

別のタクシー会社から事業承継の申し出を受けていて、今後、条件などの交渉を進めるということです。

珠洲市内では現在、ほかに営業しているタクシー会社がないため、4月1日からは当面、市内を拠点としたタクシーの運行はなくなります。

「スズ交通」の大屋智子社長は「地震が起きなければ経営を続けられましたが、しかたないことだと思っています。事業承継の相談もあるので、珠洲市にタクシー会社を残せるように準備していく予定です」と話しています。