ウクライナ キーウで地雷除去の必要性訴える写真展

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、地雷被害の実情を紹介する写真展が開かれ、主催した国連機関などは、広範囲に仕掛けられた地雷を一刻も早く除去する必要性を訴えました。

この写真展は、4月4日の地雷対策に関する国際デーを前にUNDP=国連開発計画などが首都キーウで開きました。

会場には、自身も地雷により腕を失ったイギリス出身の写真家が撮影したおよそ15点の作品が展示されています。

このうち3月にキーウで撮影された写真は、東部の前線で地雷除去の作業中に両目の視力を失ったほか、頭の骨を折る大けがをした兵士と、寄り添う妻の姿を捉えています。

男性は、同じように視力を失った兵士を支援する取り組みを妻と行っていて2人がほほえむ様子は希望を感じさせます。

また、地雷除去に携わっている女性の写真には地雷の危険を警告する表示の横でまっすぐカメラを見つめる強い表情が写し出されています。

会場を訪れた女性は「どの写真も被害をどう乗り越えてきたかについても訴えかけている」と話していました。

ウクライナ政府によりますと、地雷が埋まっている可能性がある地域の面積は国土の30%近くに相当するということで作品を手がけた写真家のジャイルズ・デュレイ氏は「地雷を除去しなければ、まだ生まれてもいない子どもまでもが将来、命を落とすことになる」と述べ地雷を一刻も早く除去する必要性を訴えました。