“ロシア 欧州の議会選挙に影響及ぼそうと資金提供の疑い”

ことし6月にEU=ヨーロッパ連合の議会選挙が行われるヨーロッパでは、選挙に影響を及ぼそうとするロシアからの資金が複数の政治家に渡っていた疑いがあると一部の国が明らかにし、波紋が広がっています。

チェコの情報機関は28日、ロシア寄りの情報操作を行っていたなどとしてチェコ政府が「ボイス・オブ・ヨーロッパ」というニュースサイトの運営会社と関係者2人に制裁を科したと発表しました。

サイトでは「ウクライナへのさらなる支援は戦争を長引かせる」などの主張を伝えていて内容は、ロシアに管理され、資金も提供されていたということです。

チェコの情報機関は、こうした活動は、ヨーロッパの議会選挙に影響を及ぼすことが目的だったとした上でロシアからの資金は、プロパガンダを広めるため、複数のヨーロッパの政治家に渡っていた疑いがあると明らかにしました。

また、ベルギーでもデクロー首相が28日、議会下院での答弁で、ヨーロッパ議会の一部の議員がロシアから金銭を受け取っていたとみられるとしました。

ことし6月に行われるヨーロッパ議会選挙では、ウクライナ支援の継続など、EUの方針に批判的な立場をとる極右や右派の政党が勢力を増すとみられています。

議会のほかの会派からは、ロシアによる情報操作の影響や議員による金銭の受け取りについて、徹底した調査を行うよう求める声が上がるなど、波紋が広がっています。