円相場 昨年度末から18円余円安進む 円安ドル高基調続く

年度末を迎えた29日の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=151円台となり、昨年度末から18円余り円安ドル高が進みました。堅調な経済を背景にアメリカで金融引き締めが続く中、今月33年8か月ぶりの円安水準をつけるなど、円安ドル高基調が続いた1年となりました。

29日の東京外国為替市場は、午後5時時点の円相場が1ドル=151円33銭から34銭となり、昨年度末と比べると、この1年で18円余り、円安ドル高が進みました。

堅調な経済を背景にアメリカでインフレが長期化し金融引き締めが続く一方、日銀が大規模な金融緩和策を続けてきたことから日米の金利差が意識され、円安ドル高基調が続きました。

日銀は今月19日にマイナス金利政策の解除など、大規模な緩和策の転換に踏み切りましたが、追加の利上げを急がず、緩和的な金融環境を続ける姿勢を示したことで、一段と円安が進み、今月27日には1990年7月以来の33年8か月ぶりの円安ドル高水準となる1ドル=151円97銭をつけました。

日米の金利差が縮まりにくい状況が続くという見方が広がり、円安につながった形です。

市場関係者は「円安の進行を受けこのところ政府関係者から市場の動きを強くけん制する発言が相次いでいて、市場では政府・日銀がどの程度の円安水準で市場介入に踏み切るかや、日米の金融政策の先行きを注視している」と話しています。