【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月29日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる29日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ各地にロシアが大規模攻撃 発電所など深刻な被害

ウクライナ空軍は29日、ロシア軍が燃料やエネルギー関連の施設を狙って、39発のミサイルと60機の無人機による大規模な攻撃を仕掛けたと発表しました。

このうちほとんどを撃墜したとしていますが、ウクライナのエネルギー企業は、3つの火力発電所が深刻な被害を受け、従業員1人がけがをしたと発表しました。

また、シュミハリ首相はSNSで、東部ドニプロペトロウシク州や、中部チェルカーシ州、西部リビウ州など6つの州でエネルギー施設などが被害を受け、複数の地域で停電になっていると明らかにしています。

一方、首都キーウでは被害はありませんでした。

ウクライナでは3月22日にも、ロシア軍のミサイルや無人機による大規模な攻撃によって、東部ハルキウ州などで一時100万戸以上が停電する影響が出ています。

シュミハリ首相は「重要なインフラを保護し、市民を守るために、より多くの防空システムが必要だ」として、防空能力の強化に向けて欧米に支援を呼びかけています。

モスクワ郊外テロ プーチン大統領とベラルーシ側 主張に食い違い

ロシアの首都モスクワ郊外でテロ事件が起きてから、29日で1週間です。

過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのあるメディアがISによる犯行だと伝える中、ISは、発生から1週間となるのを前に28日、SNSに犯行を称賛する内容の投稿を行いました。

これに対し、プーチン大統領は、ウクライナ側が背後で関与した疑いがあるとの主張を続けています。

プーチン大統領は「ウクライナ側には国境を越えるための『窓』が用意されていた」と発言していますが、隣国ベラルーシの国営通信によりますと、ルカシェンコ大統領は、実行犯は当初ベラルーシに逃亡しようとしていたと発言しています。

さらにルカシェンコ大統領は、プーチン大統領との電話会談でベラルーシ側の国境を閉鎖するよう依頼されたと述べていて、主張には食い違いもみられます。

ウクライナは関与を全面的に否定しています。

プーチン政権としては、ウクライナが関与したとする主張をことさら強めることで、当局がテロを防げなかったとする国民の批判をかわしたり、ウクライナへの攻撃を強化するための口実にしたりするなど、さまざまな思惑があるとみられます。

ゼレンスキー大統領 米下院議長と電話会談

アメリカ議会では2月、上院がウクライナへの追加支援を盛り込んだ緊急予算案を可決しましたが、野党 共和党が多数派を占める下院ではウクライナ支援に消極的な意見が根強く、可決する見通しが立っていません。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、ビデオメッセージを公開し、共和党のジョンソン下院議長と電話で会談したことを明らかにしました。

会談でゼレンスキー大統領はジョンソン議長に対し、ロシアがウクライナの都市への攻撃を続けている現状などについて説明したということです。

その上で、「ロシアのテロ行為はエスカレートする一方で、物理的な防衛力以外では食い止めることができない。自由を守るという理念で結束するため、アメリカ議会が指導力を維持することが非常に重要だ」と述べ、緊急予算案の可決を急ぐよう要請したとしています。

緊急予算案をめぐってジョンソン議長は、4月には下院での審議を本格化させる考えを示していますが、具体的な方針を明らかにしておらず、可決されるかどうかは依然として不透明な状況です。

モスクワ郊外テロ事件 プーチン政権 ウクライナ関与を主張

モスクワ郊外のコンサートホールで22日に起きたテロ事件で、ロシアの当局は、これまでに死者は143人、けが人は360人と発表し、ロシアで起きたテロとしては過去20年で最悪の規模となっています。

事件では4人の実行犯がテロに関与した罪で起訴され、過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある「アマーク通信」はISの戦闘員による犯行だと伝えています。

しかし、プーチン大統領や側近たちはウクライナ側が背後でテロに関与した疑いがあると相次いで発言し、ロシアの連邦捜査委員会は28日、押収品などを分析した結果、「実行犯とウクライナの民族主義者とのつながりの証拠が得られた」と主張しています。

これに対し、ウクライナ側は関与を全面的に否定し、ウクライナ国防省の情報総局は27日、ブダノフ局長の発言を伝え、「ロシア政府は少なくとも2月15日にはテロの準備が進められているという情報を得ていた」とした上で、テロを防がなかったのはウクライナ側に責任を負わせるためだったと主張しています。

プーチン大統領は先の大統領選挙で圧勝しましたが、その直後に起きたテロ事件がみずからの威信を傷つけかねないだけに、ウクライナ側が関与したとする主張を展開することで、国民の結束を図るとともに、ウクライナへの軍事侵攻で攻撃を強める可能性もあるとみられます。

米 ホワイトハウス「テロ攻撃のすべての責任 ISにあること明白」

アメリカ ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は28日、記者団に対し、プーチン政権がウクライナ側がテロに関与した疑いがあるとする主張を展開していることについて、「ここ数日間、ロシア政府から発信されているデタラメやプロパガンダについて反論したい。テロ攻撃のすべての責任はIS=イスラミックステートにあることは明白だ」と述べました。

そして、「アメリカはテロを防ぐ手助けをしようとしたし、ロシアもそれを知っている。アメリカはロシア当局に対してテロの脅威に関する明確で詳細な情報を提供していた」と述べ、テロ事件が起きる15日前の3月7日に、アメリカ政府からロシアの治安当局に対して文書で警告を伝えていたと明らかにしました。