中国 オーストラリア産ワインの関税撤廃へ 関係改善の動き

中国政府は、オーストラリア産のワインに課していた高い関税を29日から撤廃すると発表しました。新型コロナウイルスの発生源の調査をめぐって悪化していた両国関係は、経済面で改善の動きが進んでいます。

中国商務省は、28日、オーストラリア産のワインに課していた関税を29日から撤廃すると発表し、何亜東報道官は記者会見で「中国とオーストラリアは互いに重要な貿易パートナーであり、2国間の経済貿易関係の安定的かつ健全な発展をともに促進していく」と述べました。

これについて、オーストラリアのアルバニージー首相は「われわれはこの結果を歓迎する。これはオーストラリアの生産者と中国の消費者の双方に利益をもたらすものだ」とコメントし、WTO=世界貿易機関への紛争解決の申し立てを取り下げることを明らかにしました。

オーストラリア産のワインをめぐっては、2020年に両国の関係が悪化して以降、中国が最大で218%の関税をかけていましたが、去年10月、撤廃に向けて合意していました。

両国関係は、新型コロナウイルスの発生源の調査をめぐって悪化していましたが、2022年に発足したアルバニージー政権は経済面での連携を中心に改善を進めています。

3月20日には、中国の王毅外相がオーストラリアを訪問して、経済や貿易などの分野での協力を推進することで一致していました。