セ・リーグ開幕戦へ 阪神岡田監督「連覇という1点に向かって」

プロ野球は、29日、セ・パ両リーグが同時に開幕し、ペナントレースが始まります。
セ・リーグ6チームの、開幕前日の表情です。
球団史上初の連覇を目指す阪神の岡田監督は「連覇という1点に向かって、最終的には優勝を勝ち取りたい」と意気込みを語りました。

◇阪神(昨季 日本一)

昨シーズン18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に輝いた阪神は、今シーズン球団史上初の連覇を目指します。

阪神は東京ドームで行われる開幕戦で、阿部 新監督が率いる巨人と対戦します。

試合を前に両監督が会見し、岡田監督は「伝統の巨人阪神戦なので、いいゲームをして、この1年の野球界を盛り上げていきたい」と心境を話しました。

巨人については「ことしは一番のライバルになると思っている。最も注意していたのは新外国人だったんですけど…」と、26日に発表されたオドーア選手の退団に触れて、阿部監督を笑わせました。

シーズンに向けては「連覇という1点に向かって、最終的には優勝を勝ち取りたい」と力強く意気込みました。

グラウンドではチームの練習が行われ、野手では、主軸の大山悠輔選手や、初めて開幕戦で先発出場するとみられる20歳の前川右京選手らが、鋭い打球を打っていました。

投手陣では、2年連続で開幕投手を務める青柳晃洋投手が、実際にマウンドからボールを投げて感触を確かめていました。

青柳投手は「チームが勝てれば何でもいいと思うので、チームが勝てるようなピッチングができたら」と意気込みました。

岡田監督はことしを「強いタイガースになるための正念場」と位置づけていて、“伝統の一戦”で白星を挙げ、球団史上初の偉業に向けて好スタートを切ることができるのか注目です。

◆広島(昨季2位)

広島の選手たちは、午後4時30分ごろから、開幕戦が行われる横浜スタジアムで練習しました。

初めて開幕投手を任された九里亜蓮投手は、リラックスした表情でキャッチボールで力強いボールを投げ、変化球も交えて、登板に備えていました。

九里投手は「開幕当日にどんな感情が出てくるのかわからないが、それをプラスに変えてマウンドに上がりたい。なんとかチームが勝てるピッチングをしたい」と話しました。

開幕戦は昨シーズンのクライマックスシリーズ ファーストステージと同じ顔合わせで、就任2年目の新井監督は会見で「CSの時は私たちがホームゲームでファンの声援に力をいただいたが、あすはアウェーの大歓声の中になると思う。それも楽しみながら選手にはプレーしてもらいたい」と話しました。

今シーズンのチームについては「若い選手が出る試合が去年より多くなると思うが、若い選手が頑張る姿、そして中堅、ベテランの選手が『若い者には負けないぞ』という、チーム内の競争を見てもらいたい」と話し、キーマンとして、プロ17年目で代打の切り札としての活躍が期待される松山竜平選手をあげました。

◇DeNA(昨季3位)

昨シーズン3位のDeNAは、2位の広島と、本拠地の横浜スタジアムで対戦します。

28日は正午から前日練習を行い、このうち、2年ぶり2回目となる開幕投手を務める東克樹投手は、ランニングやキャッチボールなど軽めの調整を行いました。

ドラフト1位ルーキーながらオープン戦で12球団トップの打率をマークし、開幕戦で1番・ライトで出場する予定の度会隆輝選手は、バッティング練習で鋭い当たりを飛ばしていました。

度会選手は「自分が目標としていた舞台でプレーできることが幸せ。1番バッターということで、自分が打てばチームに流れを持ってこられると思うので、ファーストストライクからアジャストしていきたい」と意気込んでいました。

三浦監督は「開幕投手の東には開幕だけでなく1年間ローテーションの柱として投げてくれることを期待している。去年、クライマックスシリーズで広島に敗れて悔しい思いをしてから、全員が今シーズンにかける強い思いを持って練習してきたので、これまでやってきたことをシーズン中も進化させながら戦っていきたい」と話していました。

◆巨人(昨季4位)

新たに阿部監督のもと、4年ぶりのリーグ優勝と12年ぶりの日本一を目指す巨人は、阪神との開幕戦が行われる本拠地の東京ドームで、午後1時からおよそ2時間練習を行いました。

バッティング練習では、キャプテンで4番を務める岡本和真選手や、新人で開幕1軍をつかんだ佐々木俊輔選手が、力強いスイングで鋭い打球を飛ばしていました。

初めて開幕投手を務める戸郷翔征投手は、ランニングメニューで汗を流し、遠投などを行ったあと、強めのストレートや変化球を投げて、登板に向けて調整していました。

戸郷投手は「あすになればもっと緊張すると思うが、初めての経験なので楽しみたい。一番最初のゲームで阪神を相手にいい結果を出して、チームにいい風を持ってきたい」と意気込んでいました。

阿部監督は「今シーズンを占う大事なゲームになると思うし、選手も自分もワクワクしているので、全力でぶつかりたい。優勝、日本一という目標を持って、1年間ぶれずに戦っていきたい」と抱負を話していました。

◇ヤクルト(昨季5位)

去年リーグ3連覇をねらったものの5位に終わったヤクルトは、2年連続最下位の中日と開幕戦で対戦するのを前に、神宮球場で練習を行いました。

おととしは日本選手のシーズン最多となる56本のホームランを打ち、史上最年少で三冠王に輝いたものの、昨シーズンは不振に苦しんだ村上宗隆選手は、スイングを確認しながらバッティング練習を行い、フェンスを越える当たりを何本も打っていました。

練習後、高津監督は中日の立浪監督とともに記者会見し、来日4年目のサイスニード投手を開幕投手とすることを明らかにしました。

高津監督は「今のチームの中で実績もあり信頼のおける先発投手だ。彼が投げる試合はチーム全体が元気になり熱くなることが多いので、初戦を彼に託したいと思った」と、初の開幕投手に指名した理由を話しました。

そして「毎年同じことをしていても勝てないと思うので、今までとは違う野球をしたい。昨年は非常に悔しい思いをしたので、チームのスローガンでもある“ヤり返す”気持ちで、もう一度1番になりたい」と、2年ぶりのリーグ優勝に向けて意気込みを示しました。

◆中日(昨季6位)

2年連続最下位からの巻き返しをねらう、就任3年目の中日の立浪監督は、開幕戦を控えたチームの全体練習の前に、ヤクルトの高津監督とともに神宮球場で会見を行いました。

立浪監督は「チームはここ数年低迷しているが、去年秋からなんとか巻き返そうと、ここまでやってきた。優勝を目指し、チーム一丸となって頑張っていきたい」と意気込みを述べました。

開幕投手に選手会長を務める8年目の柳裕也投手を指名したことについて「本人も開幕投手を目指してオフからやってきたし、ピッチングの内容もよかったので任せた。選手会長でもある柳投手にチームを引っ張っていってほしいと思っている」と期待を示しました。

ヤクルトと開幕3連戦を戦うことについては「村上選手をはじめホームランバッターが多く、ベンチで見ていていちばん緊張感があるチームだ。ピッチャーにはその打線に逃げずに向かっていってほしい」と話していました。