高校野球 センバツ 中央学院が青森山田に勝ち 初のベスト4

センバツ高校野球、大会9日目、準々決勝の第3試合は、千葉の中央学院が青森山田高校に5対2で勝って、春夏通じて初めてとなるベスト4進出を決めました。

1点を追う中央学院は2回、2アウトからチャンスを作り、8番の蔵並龍之介投手のタイムリーヒットで追いつくと、続くチャンスで1番の青木勝吾選手がレフトへ2点タイムリーツーベースヒットを打って、3対1と勝ち越しに成功しました。

4回には、青木選手の2打席連続となる2点タイムリーツーベースヒットで、リードを4点に広げました。

投げては、今大会初登板となった蔵並投手が、毎回のようにピンチを招きながらも要所を締めて、8回途中まで投げて1失点と粘りました。

中央学院は5対2で勝って、春夏通じて初めてとなるベスト4進出を決めました。

青森山田は相手を上回る11本のヒットを打ちましたが、チャンスで1本が出ず、14の残塁を記録して敗れました。

《中央学院 監督・選手談話》

相馬幸樹監督「練習の姿が形に現れてすごくよかった」

中央学院の相馬幸樹監督は「すごくうれしいです。彼らの練習の姿が形に現れて、すごくよかったなと思います」と話していました。
今大会初登板で好投した先発の蔵並龍之介投手について「彼のポテンシャルに賭けていたので、よくやってくれたんじゃないかなと思います。集中して終盤まで投げ切ったことが彼の次への成長につながるかなと思います」と話していました。
準決勝の戦いについては「野球王国・千葉から代表として来ているので、誇りを持ってしっかり戦えたらなと思っています」と意気込んでいました。

青木勝吾選手「蔵並投手を楽にさせたい気持ちで打席に入った」

2本のタイムリーツーベースなど3安打、4打点の活躍で勝利に貢献した中央学院の青木勝吾選手は「相手がすごくいいピッチャーだったので、打ち崩すのが大変でしたが、甲子園初登板の蔵並投手を打線で援護して、楽に投げさせたいという気持ちで打席に入りました。前のバッターがつないで回してくれた場面だったのでランナーを返すことができてよかったです」と話していました。
そして、次の試合に向けて「自分たちはすごい選手がいるわけではないので、次の試合も粘り強く自分たちのプレー、バッティングをして勝ちたいです」と話していました。

蔵並龍之介投手「恐怖もあったが 抑えたい気持ちがまさった」

今大会初登板で、8回途中まで投げて1失点と好投した中央学院の蔵並龍之介投手は「初戦からほかの投手が頑張ってくれて、野手のみんなも打ってくれて、この試合につないでくれたのでやってやるしかないという強い気持ちでマウンドに上がりました。相手はバッティングが非常によくて、力強いスイングで投げていて恐怖はありましたが、自分の抑えたいという気持ちがまさったことで、ピンチでも抑えられたと思います。とても自信がつきました」と笑顔で振り返っていました。
そのうえで「きょうは先頭バッターを出したり無駄なフォアボールが非常に多かったりしたので、そういう点を改善していけば、もう少し球数を抑えて、最後まで投げられると思うのでそこは反省しながら次の試合も一球一球、全力で投げたいです」と意気込みを話していました。

◇中央学院“気持ちの切り替えが好投に”

今大会初登板で8回途中1失点とチームの勝利に貢献した中央学院の蔵並龍之介投手。
気持ちの切り替えが好投につながりました。

中央学院のエースナンバー「1」を背負う蔵並投手は1メートル87センチの長身から投げ下ろす角度のある速球や鋭く落ちるフォークボールが持ち味で監督やチームメートからの信頼が厚いピッチャーです。

しかし、調子が上がらないまま開幕を迎え、おとといの練習では思うようなボールを投げることができず、自分に対しての苛立ちから涙を流しました。

そんなとき、ピッチングを見守った相馬幸樹監督からは「投げたボールに対して、ダメだと思い込むのではなく、次にどう生かせるか考えて投げてみよう」とアドバイスがあったといいます。

蔵並投手は「どんなに調子が悪くても一球一球投げるたびにナイスボールと前向きな言葉をかけてくれた。とてもうれしかった」と感謝の思いを口にしました。

迎えた準々決勝で相馬監督は「トーナメントを見て勝負をかけるなら蔵並をきょうまで温存しようと絶対に決めていた。状態はよくなっている。自信を持って投げてほしい」と優勝をねらううえでターニングポイントと考えた試合を蔵並投手に託しました。

蔵並投手は1回に先制されると、その後もフォアボールで先頭バッターを出すなどほとんどのイニングでピンチを招きました。

それでも「反省するのは試合の後」と監督からの教えを胸に、どんなに悪いボールがいっても打たれても切り替えて、一球一球、全力で投げ込むことを意識しました。

その結果、8回途中まで投げて1失点。粘りのピッチングで勝利を呼び込みました。

蔵並投手は試合後「ここまで来るのに気持ちが落ち込むこともありましたが、監督やチームメートの声かけで前を向いて投げることができました。次の試合も一球一球全力で投げたいです」と晴れやかな表情で話していました。

《青森山田 監督・選手談話》

兜森崇朗監督「相手の気迫ある守備などに阻まれた」

青森山田高校の兜森崇朗監督は「点数を追いかける展開であと一歩と思って攻めましたが相手の気迫ある守備などに阻まれました。試合の入りはよかったですが中盤のミスが失点につながったと思います」と試合を振り返りました。
また、登板した2人の投手については「先発の櫻田がふんばって関につなぎたいと思っていましたが、相手の各打者に打たれてしまいました。2人ともよく頑張ってくれましたが課題が見える試合でした。今後はその課題解決に向けて練習に励んでいきたいと思います」と話していました。

吉川勇大選手「チームが勝ちたかったので本当に悔しい」

2本のタイムリーヒットを打った5番・吉川勇大選手は「粘り強い野球をして、これまで勝ってきましたがきょうはその野球ができなかったです。試合でヒットを打つことはできましたが、自分の結果よりチームが勝ちたかったので本当に悔しいです」と涙ながらに語りました。
9回にタイムリーヒットを打った場面については「仲間がつないでくれたので自分も仲間につなごうという気持ちで打席に立ちました。打つことができたことについてはうれしかったです」と振り返りました。
そして、夏に向けては「もっと打てないと甲子園では勝ち上がっていけないと思うので、夏に向けてもっと練習を頑張ってまたこの舞台に戻ってきたいです」と話していました。