中国 習主席 オランダ首相と会談 輸出規制強化の動きをけん制

中国の習近平国家主席は、先端半導体の製造装置で高い技術力を持つオランダのルッテ首相と会談し、アメリカなどとともに中国への輸出規制を強化する動きをけん制しました。

習近平国家主席は27日、オランダのルッテ首相と首都 北京の人民大会堂で会談しました。

中国外務省によりますと、この中で習主席は「『デカップリング』に出口はなく、開放と協力が唯一の選択肢だ」と述べ、アメリカや日本とともに中国への半導体関連の輸出規制を強化するオランダの動きをけん制しました。

そのうえで「オランダ側が中国とヨーロッパの相互理解を促進し、建設的な関係を発展させるため積極的な役割を果たし続けることを望む」と強調しました。

これに対し、ルッテ首相は会談後、「われわれは協力だけでなく、中国でビジネスをしようとするヨーロッパ企業への不当な障害についても率直に話し合った」とSNSに投稿し、中国側にビジネス環境の改善を求めたことを明らかにしました。

オランダには、先端半導体の製造装置で高い技術力を持つメーカーがあり、オランダ政府は軍事利用されるのを防ぐことなどが目的だとして、輸出規制を強化しています。

習主席としては半導体などの先端技術をめぐってアメリカとの対立が続き、国内の景気の先行きにも不透明感が広がるなか、オランダとの関係を強化しヨーロッパからの技術や投資を呼び込むねらいがあるとみられます。