モスクワ郊外のテロ事件 死者143人に 移民労働者の規制強化か

ロシアの首都モスクワ郊外で起きたテロ事件では犠牲者がさらに増えて143人が死亡しました。実行犯が中央アジア出身とされるなかモスクワでは移民の労働者の規制が強化されたと伝えられていて、当局が取締りを強めているものとみられます。

ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで起きたテロ事件について27日夜、非常事態省は死者の数が143人になったと発表しました。また医療当局は、けが人は360人だとしていて、犠牲者が増えています。

国営テレビは27日、プーチン大統領が北西部トベリ州を訪れて地元住民と交流する様子などを伝え、治安が保たれているとアピールする思惑もあるとみられます。

事件についてアメリカのメディア、ブルームバーグは26日、プーチン大統領との協議の場で複数の政府高官らがウクライナの関与はないと一致したにもかかわらず、「プーチン大統領はウクライナでの戦争への国民の支持を強めるためこの悲劇を利用する決心を固めた」とする関係者の話を伝えています。

一方、今回の事件で起訴された4人の実行犯は中央アジアのタジキスタン国籍だと伝えられるなか、BBCやロシアの独立系メディアはモスクワで移民の労働者に対する規制が大幅に強化された可能性があると伝えました。

匿名の弁護士の話として多くのタジキスタン人が警察から取り調べをうけたなどと指摘していて、テロを受けて当局が取締りを強めているものとみられます。