甲子園とセンバツ100年 いつもと違う 歴史と今を楽しむ場所に

熱戦が続く甲子園球場。

ことしはいつもと違うんです。

センバツ高校野球と球場がともに100年という大きな節目の年を迎えました。さまざまなアイデアで観客を楽しませてくれています。

彩られた甲子園球場

球場正面の入場門を入るとまず見えてくるのが電子看板=デジタルサイネージ。

趣向を凝らした演出で観客を迎えます。

若者から大人まで世代を超えて読まれているという野球漫画、合わせて9つの作品とのコラボレーションです。

8月1日は甲子園球場が開場100周年を迎える節目の日。

それまでの日数をカウントダウンボードで示されていて、記念写真も撮ることができます。

100周年を祝う大型のタペストリーも飾られ球場を彩っています。

センバツ高校野球×甲子園球場

センバツ高校野球が初めて開催されたのが1924年4月。

その年の8月に「甲子園大運動場」が誕生しました。今の甲子園球場です。

このとしは「干支(えと)」で、「甲」と「子」が合わさる60年に一度の縁起のいい年だったことから「甲子園」と名付けられました。

“伝統・特別感”をグルメに!

実に大きな節目の年に長い歴史を振り返るだけでなく限定のグッズの購入やグルメも堪能でき、訪れている人を楽しませています。

このグルメはセンバツの開幕に合わせて3月18日から始まりました。

コンセプトは“伝統・特別感・100”。

創業当初の味を再現したり、具材の量を100グラムにするなど、100という数字にこだわっています。

九条ねぎや牛すじなどをたっぷり100グラムトッピングしたという限定のたこ焼き。

さらにカニ飯が目を引くぜいたくな弁当では、コンセプトの特別感が感じられる食材が詰め込まれています。

100周年のグルメを買うと、これまでにセンバツ高校野球で優勝した学校の初優勝の名場面を紹介する「スコアボード型マグネット」がついてきます。

全部で10種類あります。

東京から訪れた13歳
「野球をしているので甲子園に来ることを楽しみにしていました。100周年の『から揚げ』はとてもおいしいし、ヘルメットも記念になるのでうれしいです」

限定グッズも!

グルメに加えて100周年の限定グッズも。

野球漫画の「ドカベン」など合わせて9つの作品とコラボレーションしたグッズも売り出されています。

店舗の担当者
「100周年のロゴが入ったお菓子やタオルなどは他の商品より人気があります。店としても100周年のグッズを目立つところに置いて100周年の機運を高めていきたいです」

観客から好評!

愛知から訪れた4人家族
「子どもたちが野球をしていて家族で見に来ました。やはり100年という節目の年で、記念で限定グッズを購入しました」

東京から訪れた親子
「この春から中学1年生になりますが、野球をやっていて甲子園は憧れの場所です。いつかここで野球をしてみたいと思います。甲子園歴史館に行って、このステッカーをもらいました。他にも100周年グッズも購入しました」

甲子園球場の担当者は

阪神甲子園球場 企画担当球場長代理 赤楚勝司さん
「阪神甲子園球場の開場100周年とセンバツ100年という節目の年を盛り上げたいと考えどのようにすれば盛り上がるのか、2年ほど前から話し合いをしてきました。去年からカウントダウンボードなどを設置していて、ことしに入ってからは写真を撮る人も増え、徐々に興味を持ってもらえているように感じます。現在はグッズやグルメの売れ行きもよく、お客様から『楽しい』という声をいただいているのでとてもうれしいです。今後もさまざまな企画を考えていきたいです」

球場だけではありません!

この100周年、阪神電車では特別仕様の電車を走らせています。

この「阪神甲子園球場100周年記念ラッピングトレイン」では車両に野球マンガのキャラクターや甲子園の歴史をたどる数々の写真が飾られています。

車内は特別なギャラリー仕様になっています。

ことし12月ごろまで阪神本線を中心に運行される予定です。

センバツ高校野球と甲子園球場。

それぞれの100年の歴史に思いをはせながら改めて球場を訪れるとまた違った景色が見えてくるかもしれません。

(甲子園取材班 角田彩子)