高校野球 センバツ 報徳学園が常総学院に勝ち準々決勝へ

センバツ高校野球、大会8日目の第4試合は兵庫の報徳学園が茨城の常総学院に6対1で勝って準々決勝に進みました。

報徳学園は3回、1アウト一塁二塁から4番の齋藤佑征選手がタイムリーヒットを打ち、1点を先制すると、続く4回には9番の間木歩投手のタイムリー内野安打で1点を追加しました。

さらに5回にはヒット4本、打者9人の攻撃で3点を追加し、初戦で完封した常総学院のエース、小林芯汰投手を攻略しました。

報徳学園の先発、間木投手は8回、130球を投げて1失点と好投し、報徳学園が6対1で勝って準優勝した去年に続いて準々決勝に進みました。

常総学院は8回に犠牲フライで1点を返しましたが及びませんでした。

《報徳学園 監督・選手談話》

大角監督「しっかりと試合を作った」

報徳学園の大角健二監督は「変化球をねらうと相手のペースになることが予想されたので、ストレートをセンターに返すよう指示を出していました。選手たちがやるべきことをやって打線がつながり、いい結果になりました。先発の間木も本調子ではなかったと思うが、しっかりと試合を作りさすがでした」と試合を振り返りました。
また「報徳学園として甲子園100戦目の試合を勝利で飾ることができてよかったです。去年秋の近畿大会で負けている大阪桐蔭相手にリベンジを果たしたい気持ちでいっぱいです」と話していました。

西村大和選手「自分たちのスタイルで野球ができた」

4本のヒットを打った報徳学園の西村大和選手は「守備からリズムを作り攻撃につなげる、自分たちのスタイルで野球ができたと思います」と試合を振り返りました。
また、3点を取った5回の攻撃については「グラウンド整備の直後に自分のヒットで流れを持ってくることができました。長打を打つバッターがチームに少なく、全員が後ろにつなげる意識を持っていたことが、いい結果になったと思います」と話していました。
28日の準々決勝で対戦する大阪桐蔭については「秋の大会で負けて悔しい思いをしているので、借りを返すいい舞台だと思います。ロースコアで試合を進め、終盤に1点を取って勝つ試合展開にしたいです」と意気込んでいました。

齋藤佑征選手「先制をすることができよかった」

報徳学園の4番・齋藤佑征選手は先制のタイムリーヒットを振り返り「1回戦でいい結果が出て自信がついたので、チャンスの場面では、緊張よりも楽しむ気持ちが出ていました。序盤はピッチャーに支えられていた試合展開だったので、野手陣で早く助けようと、次のバッターにつなげる意識で打席に入りました。早い段階で先制をすることができて、よかったです」と振り返りました。
次の大阪桐蔭戦については「試合が終わってすぐにチームメートの間で、大阪桐蔭のことが話題に出ました。秋の大会以降、強く意識してきたので、絶対に勝ちたいです」と意気込んでいました。

◇報徳学園“新たな歴史作る選手たち”

報徳学園はチームとして春夏あわせて100試合目となった甲子園球場での“メモリアルゲーム”で打線が力を発揮し、ベスト8進出を決めました。

報徳学園は去年のセンバツ、4試合連続で2桁安打を記録するなど強力な打線を持ち味に準優勝を果たしました。

ことしのチームには
▽去年のセンバツで5試合すべてに登板した間木歩投手や
▽最速150キロを超えるストレートが持ち味の今朝丸裕喜投手がいますが、
長打を打てるバッターが抜け、秋の公式戦でもチーム打率が2割台とバッティングが課題でした。

ことしから反発力が抑えられた新たな基準の金属バットに移行するにあたり、選手たちは冬の間、強い危機感を持ちながら重いバットを使っての打撃練習やウエイトトレーニングに励んできました。

迎えた今大会は初戦で2桁安打を記録。
2戦目となったこの試合は、初戦で完封した小林芯汰投手を擁する常総学院と対戦しました。

この試合も長打こそありませんでしたが、小林投手が得意とするカットボールを次々と捉え、5回までに10本のヒットを集めて攻略。春夏あわせて100試合目となる甲子園球場での試合を勝利で飾りました。

4本のヒットを打った西村大和選手は「この冬、たくさん振り込んできてパワーアップしたことがよい結果につながった。100試合目ということできょう勝って新しい歴史を作ろうと話していたのでうれしい」と話しました。

甲子園101試合目となる次の相手は高校トップクラスの好投手がそろう大阪桐蔭。去年秋の近畿大会ではヒット4本に抑えられて敗れていて、多くの選手が「リベンジしたい」と話しています。

「打倒・大阪桐蔭」で、新たな歴史をスタートさせ、去年、なしえなかった優勝をめざします。

《常総学院 監督・選手談話》

島田監督「力の差を感じた」

敗れた常総学院の島田直也監督は「力の差を感じた。しっかり守る、しっかり打線でつなぐという自分たちらしい野球ができなかったことが悔しい」と試合を振り返りました。
また、先発の小林芯汰投手については「1回戦に比べて肩に力が入ってしまっていて、まっすぐの精度も落ちてしまっていた。甲子園の舞台は緊張すると思うが、1つの経験になってよかったと思う」と話していました。
そして「今大会を通して自分たちらしい野球ができれば全国に通じることがわかった。これから夏に向けてやることは変えずに、しっかり守る、取れるときにしっかり点数を取るというように基本を徹底して1つずつレベルを上げたい」と意気込みました。

小林投手「技術力が足りませんでした」

常総学院のエース、小林芯汰投手は「ピンチのところで技術力が足りませんでした。打たれた球はボール1個分高かったり低かったりとコントロールの大切さを感じました」と試合を振り返りました。
また、この試合では変化球が多く捉えられてしまったと振り返ったうえで「夏までにボールのキレをよくするなど1から自分の投げ方を見直して“日本一”のピッチャーになって、この甲子園という舞台に戻ってきたいです」と話していました。