月面探査観測機器に東大などの研究チーム開発の装置が選ばれる

宇宙飛行士による有人月面探査を目指す国際計画「アルテミス計画」で、NASA=アメリカ航空宇宙局は宇宙飛行士が月面に降り立つ際に持っていく観測機器の1つとして東京大学などの国際研究チームが開発する装置を選んだと発表しました。

アメリカが中心となり、日本も参加する国際月探査計画「アルテミス計画」で、アメリカは2026年を目標に、アポロ計画以来、およそ半世紀ぶりとなる、有人での月面探査を目指しています。

26日、NASAはこの計画の中で月面に持っていく観測機器の1つに、東京大学の宮本英昭教授らの国際研究チームが開発する装置を選んだと発表しました。

この装置は「月面誘電率計測器」と呼ばれるもので、月に降り立った宇宙飛行士が直接、月面に設置し、地下の浅い部分の電気的な性質を調べます。

これにより、地下の岩石の分布などがわかり、月の南極付近に氷の状態で存在していると考えられている水など、月の資源の状況を調べるのに役立てられるということです。

NASAはこのほかにも、月で起きる「地震」を測定する装置と、月面で農作物を育てる場合、どのような影響を受けるのかを調べる装置を選んでいます。

宮本教授は「選ばれて驚きと喜びを感じています。自分たちが作った機器を宇宙飛行士が月に持っていくと考えるだけで、夜も寝られないくらい興奮しています」と話していました。