高校野球 センバツ 青森山田が広陵に延長サヨナラ 準々決勝へ

センバツ高校野球、大会8日目の第2試合は青森山田高校が広島の広陵高校に延長10回、タイブレークの末、6対5でサヨナラ勝ちし準々決勝に進みました。

青森山田は相手に2点を先制された直後の8回ウラ、先頭の代打・蝦名翔人選手が広陵のエース高尾響投手からチーム初ヒットとなるツーベースを打って出塁し、そのあと1アウト満塁とチャンスを広げ木製バットを使う3番の對馬陸翔選手の2点タイムリーヒットで同点に追いつきました。

9回の表に3点を勝ち越されましたが、そのウラ、再び満塁と攻め、1番・佐藤隆樹選手の走者一掃のタイムリースリーベースヒットで5対5と同点に追いつき、試合はタイブレークによる延長に入りました。

そして10回、ノーアウト満塁で4番の原田純希選手が犠牲フライを打って青森山田が広陵に6対5でサヨナラ勝ちし、センバツでは初の準々決勝進出を決めました。

青森山田は1回戦に続いて2試合連続のサヨナラ勝ちです。

広陵は大会屈指の好投手と注目されていたエースの高尾投手が140キロ台の力強いストレートとキレのある変化球で7回までヒットを許さない好投を見せましたが、終盤は変化球が甘く入るなどコントロールに苦しみ、リードを守り切れませんでした。

そして延長10回もマウンドに上がりましたが、142球目で力尽きました。

《青森山田 監督・選手談話》

兜森監督「難しい試合だったが選手たちが頑張ってくれた」

勝った青森山田高校の兜森崇朗監督は「最後まで諦めずに戦い抜くことができたので勝ちにつながったと思います。相手が好投手でヒットがなかなか出ない中、控えの選手が突破口になりよい活躍をしてくれました。難しい試合でしたが選手たちがよく頑張ってくれたと思います」と振り返りました。
そのうえで「前回の試合に続き、2回連続サヨナラ勝ちでチームは今、勢いに乗っていると思うので次の試合もこの勢いのまま勝ちきりたいです」と話していました。

佐藤隆樹選手「大事な場面で打てたこと 自信につながった」

9回に同点の3点タイムリースリーベースヒットを打った青森山田高校の1番の佐藤隆樹選手は「自分がここで決めるんだという強い気持ちでバッターボックスに立ちました。ストレートを待っていましたが変化球を左方向に打つことができてうれしかったです」と打席を振り返りました。
そのうえで「9回の大事な場面で打てたことは自分の自信につながりました。次の試合も初球からバットを振っていき、1番バッターとして塁に出て中軸につなぎ、チームを勝利に導きたいです」と話していました。

原田純希選手「なんとかチームに貢献したいとバットを振った」

延長10回にサヨナラの犠牲フライを打った、青森山田高校の4番の原田純希選手は、「この試合、ヒットを打つことができていなかったので、なんとかチームに貢献したいとバットを振りました。難しい試合でしたが、粘り強く、落ち着いて野球をすることができたので、勝つことができたと思います」と話していました。
また、「きょうの試合は序盤の入りが悪かったので、次の試合は初回から集中して試合に臨み、主導権を握れるような試合展開をしていきたいです。次の試合は自分がヒットを打ってチームを勝利に導きたいです」と話していました。

◇青森山田 “控えや2桁背番号の選手”が流れ呼び込む

青森山田は終盤、相手に2度リードされながらも驚異的な粘りで追いつき、延長の末、サヨナラ勝ち。流れを呼び込んだのは控えの選手や2桁の背番号をつけた選手でした。

青森山田は大会屈指の好投手と注目されている広陵高校の高尾響投手に7回までノーヒットに抑えられる苦しい展開でしたが、そこから突破口を開いたのが控えの選手でした。

2点を先制された直後の8回ウラ、先頭バッターとして代打に送られた2年生の蝦名翔人選手が高尾投手の初球をたたいて、チーム初ヒットとなるツーベースを打って流れを引き寄せると、そこから満塁と攻め、2点を奪って同点に追いつきました。

9回には広陵に3点を奪われまたもリードされましたが、再び流れを呼び戻したのが背番号「20」の2年生、1番、佐藤隆樹選手でした。

満塁で打席に入り「自分がここで決めるんだという強い気持ち」だったと、走者一掃のタイムリースリーベースを打って再び試合を振り出しに戻して延長戦に持ち込み、1回戦に続いて2試合連続のサヨナラ勝ちを呼び込みました。

層の厚さを見せた青森山田の兜森崇朗監督は「難しい試合でしたが選手たちがよく頑張ってくれた。2回連続サヨナラ勝ちでチームは今、勢いに乗っていると思うので次の試合もこの勢いのまま勝ちきりたいです」と準々決勝を見据えていました。

《広陵 監督・選手談話》

中井哲之監督「続投させないと私自身が後悔すると思った」

敗れた広陵高校の中井哲之監督は「終盤に勝ち越して油断した訳ではないが、相手も打席を重ねる中でボールを芯でとらえてきていたので、さすがだなと思った。少ないチャンスを生かされ立て続けに得点につなげられてしまった」と試合を振り返りました。
延長10回を1人で投げたエースの高尾投手について「終盤、ピンチの場面が多かったが、続投させないと私自身が後悔すると思い最後まで投げさせた。1人で抑えようという思いが強く終盤に力んでしまったが、よく投げてくれた」と話していました。

高尾響投手「夏までに勝ちきれるピッチャーになりたい」

広陵高校の高尾響投手は「立ち上がりのピンチをしのいだことで、いい流れで投げられたが、終盤はコースに投げられなくなり崩れてしまいました。この試合は野手陣に助けられていたのに自分が結果を出せず反省しないといけないです」と話していました。
夏に向けては「この悔しい思いを忘れず終盤までコースをつくピッチングができるように練習を積み重ねたいです。夏までに勝ちきれるピッチャーになりたい」と話していました。