岸田首相“関係議員の聴取 来週にかけて続ける” 参院予算委

国会は参議院予算委員会で集中審議が行われ、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、立憲民主党は、関係議員の処分は真相を明らかにしたうえで行うべきだと指摘しました。これに対し岸田総理大臣は、26日から始めた聴取を来週にかけて続け、実態の解明に努める考えを示しました。

自民 越智俊之氏 能登半島地震への対応めぐり

▽自民党の越智俊之氏は能登半島地震への対応をめぐり「今回の災害はコロナ禍の影響が残り、物価高という極めて厳しい状況の中で発生した。被災した中小企業や小規模事業者が困らないよう資金の手当てが重要だ」と指摘しました。

これに対し岸田総理大臣は「被災した建物や設備を復旧するための『なりわい補助金』などの支援を迅速に進めるとともに、今年度末で切れるコロナ禍の資金繰り支援も6月末まで延長する。被災事業者の声に寄り添いながら支援に全力で取り組む」と述べました。

立民 杉尾秀哉氏 政治資金問題について

▽立憲民主党の杉尾秀哉氏は自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「安倍派の幹部4人の聴取を始めたというが、新事実が出てこなければ真相は闇の中だ。何を根拠に処分するのか」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「国民の疑念も踏まえ追加の聴き取り調査をスタートし、来週に向けて続けていくつもりだ。事実をできるだけ解明したうえで政治責任を判断したい」と述べました。

さらに杉尾氏は「処分は4月の訪米前に出すのか。世間の関心を集めて支持率を上げたいという思惑が見え見えで、幕引きのセレモニーではないか」と迫りました。

これに対し岸田総理大臣は「早いタイミングでけじめをつけなければならないが、いつまでとは申し上げていない。聴き取り調査を始めた段階で処分の程度が判断されるはずがなく、まだ具体的な判断は何も決まっていない」と述べました。

また、岸田総理大臣は、かつて自民党安倍派の前身の派閥で会長を務めた森元総理大臣にも聴取するよう求められ、「従来の聴き取り調査や政治倫理審査会での弁明などで、個人的に関わっているという指摘は把握されていないが、追加の聴き取り調査の中で必要な関係者に話を聴きたい」と述べました。

一方、次の衆議院選挙に立候補しない考えを明らかにした二階元幹事長の処分について、「二階氏の判断は重く受け止めているが、処分の判断は全く決めていない」と述べました。

また、みずからへの処分については、「私も含めて党の手続きや判断が尊重されなければならない」と述べました。

さらに、「選挙における非公認」の処分を行った場合に党として選挙支援を行うのか問われたのに対し、「公認しないことになれば、公認料をはじめ公認候補が得られるさまざまなメリットはすべてなくなると認識している」と述べました。

公明 竹谷とし子氏 「こどもホスピス」の普及に向けて

▽公明党の竹谷とし子氏は小児がんなどの子どもたちがサポートを受けながら家族と過ごせる「こどもホスピス」の普及に向けて「生活実態調査が行われるなど検討は進み始めているが、ホスピスには多様な形があり、課題とニーズがある。支援の後押しをお願いしたい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「診療報酬改定で適切な緩和ケアの提供を推進するための『小児緩和ケア診療加算』を新設するなど取り組みを行う。小児がん患者などが家族や友人と安心して過ごせる環境の充実に取り組む」と述べました。

維新 東徹氏 キックバックなどの収入について

▽日本維新の会の東徹氏は政治資金収支報告書に記載されていなかったキックバックなどの収入について「被災地に寄付してはどうか。自民党の内部でも声が上がっているという報道も見た。被災地への寄付は最低限、行うべきだ」と訴えました。

これに対し岸田総理大臣は「各政治団体が決定すべきだが、不記載の資金について国民からもいろいろな指摘があるので、どのように取り扱うか、意思疎通を図っている。早急に整理し判断したい」と述べました。